壇弁護士の事務室について

「壇弁護士の事務室」は、大阪弁護士会所属の弁護士壇俊光が、第一線の現場にいる弁護士の目から、感じることを日々書きつづっています。

 

 

所属会等

2000年 大阪弁護士会登録 北尻総合法律事務所 所属

連絡先

info@dan-law.jp (半角に直してください)

TEL 06-6364-0181

但し、メールや電話による法律相談等は顧問会社に限らせていただいております。

顧問契約に関しては上記までご連絡ください。

 

事務所住所 

〒530-0047

大阪市北区西天満6丁目7番4号大阪弁護士ビル501号室

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営業時間
 

平日(月曜日~金曜日) 10:00~17:00(要予約)
ご予約いただいた場合については、土日祝を含む営業時間外のご対応もいたしております。

 
取り扱い分野

IT(電子商取引、ネットワーク、発信者情報開示請求、ソフトウェア、その他)

知的財産(特許、著作権、商標、その他)

医療過誤

一般民事(契約書作成、貸金、交通事故、不動産取引、借地借家、土地明渡し、その他)

倒産事件(任意整理、破産、民事再生、その他)

企業法務一般(商取引、債権管理、独占禁止法、株主総会指導、セキュリティ等)

家事(離婚・相続など)

刑事事件(捜査弁護、公判弁護、告訴・告発)。

企業コンプライアンス

経営診断

 
資格等

弁護士

中小企業診断士

情報セキュリティスペシャリスト

基本情報技術者

応用情報技術者

プロジェクトマネージャー

ISMS審査員補(ISJ-C06773)

プライバシーマーク審査員補

 

主な参加事件

Winny事件弁護団 事務局長

YahooBB!個人情報漏えい被害者弁護団

ダスキン大肉まん事件株主代表訴訟

ドロップシッピング被害者弁護団

近未來通信被害者弁護団

 

著書 論文等

「最新著作権関係判例と実務」知的所有権問題研究会編 民事法研究会

「プロバイダ責任制限法における発信者情報開示の実務的な問題」情報ネットワークローレビュー第6巻87頁

 

所属委員会等

日本弁護士連合会コンピュータ委員会等

近時の講演・講師テーマ

「Winny事件の弁護活動」

「インターネット消費者保護~基礎編」

「インターネット上での誹謗中傷対策」

「発信者情報開示手続きの基本」

「企業における個人情報保護とセキュリティ対策」

「海外における商標冒用事件」

「RCCを用いた企業再生スキームについて」

「インターネットの著作権問題」

「クラウドの著作権問題」

「E-コマース法制」

「電子商取引 基礎編」

「ネットビジネスの注意点」

「下請法解説」

「中小企業の法律問題」

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2018/05/13

クレイジーフットボール

日大と関学のアメリカンフットボールの試合で、日大の選手に悪質な反則があったということで、関学から抗議がなされているようである。

記事

6日の試合では、日大の選手はボールを投げ終えて無防備な状態だった関学大選手に背後からタックルするなど3度反則し退場となった。関学大の選手は右膝軟骨損傷と腰の打撲で全治3週間と診断され、現在も左足にしびれが残っている状態だという。両チームは全日本大学選手権決勝(毎日甲子園ボウル)で最多の29回の対戦がある伝統校で、定期戦も今回が51回目だった。

ネットで見たが、なかなか酷い反則である。

フットボールクレイジーの関学が、クレイジーなレイトヒットにお怒りなのは、ごもっともである。

ところで、スポーツはある意味反則がつきものであるが、酷い反則した場合、法的な責任を負うことはあるだろうか?

じつは、スポーツなんだから責任ないんじゃ無いかというわけにはいかず、法的責任を伴うことがある。

サッカーの事案で得あるが、たとえ故意又は過失により相手チームの選手に負傷させる行為をしたとしても、社会的相当性の範囲内の行為であれば違法性が否定される余地があるとして、社会相当性を逸脱した行為に対して不法行為を認めた裁判例があるので、油断ならない(東京地裁平成28年12月26日・平成27年(ワ)13602号)。

主に柔道であるが、試合中のケガについて監督者の責任を問う裁判例はたくさんある。

というわけで、フェアプレイは精神だけではなく、法律上の義務なのである。

興味がある人には、これでも一読を。

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2018/04/24

著作権侵害サイトのブロッキング要請に関する緊急提言シンポジウム

日曜日を潰して、情報一般財団法人 情報法制研究所と一般社団法人 インターネットコンテンツセーフティ協会共催の著作権侵害サイトのブロッキング要請に関する緊急提言シンポジウムというものにパネラーとして出席した。

シンポ

いろいろ記事になっているようである。

弁護士ドットコム

ITmedia

窓の杜

私は、実務の解説である。
刑事弁護をまともにやってる弁護士であれば、児ポだろうが著作物だろうが、刑事法廷で緊急避難の主張がまともに取り合ってもらえないということをやんわり説明する担当である。

当日のスライドを欲しいという人が結構いたので公開しておく、プロユース用に作ってないので、業者の方は自ら楽しむ目的のみで利用可である。

当日資料をダウンロード

私は、緊急避難みたいな通るわけない論理で、明らかなクロをシロにできる特権階級を認めたくないだけである。適切な立法に基づく措置であれば賛成であるし、そのための議論は必要と思っている。

ただ、パネルでは、権利者側の先生が、いろいろ努力をされているというお話をされていたが、その話を前提にして、さらに、日本のプロバイダ責任制限法の出来が最悪で、民事訴訟法がIT社会に全く対応できていないことを踏まえても、被害3000億というのであれば、それに見合うべきやるべきことはまだあるのにやってないとしか思えなかった。

必要なのは、ブロッキングでは無く、「十分な」スキルを有する弁護士に相談することである。

現状は、某社が、自らの意思で社員に通信の秘密侵害罪のリスクを負わせる旨の発表をしたところである。

発信者情報開示では、二言目には通信の秘密とお経の様にいう企業グループの節操ない忖度である。

なんだかなぁ。

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2018/04/12

ブロッキングのブロック

最近、海賊版サイト対策で政府がブロッキングを要請するなんて話が飛び出してきて、なんだか賑やかである。

記事

政府は漫画やアニメを作者に無断で掲載するインターネット上の「海賊版サイト」への接続を強制的に遮断するための措置に乗り出す。NTTコミュニケーションズなど国内のプロバイダー(接続業者)に利用者の閲覧を遮断するよう要請する。

なんでかNコムの名前だけ上がってるのかは大人の事情なのだろう。

これに対して、宍戸先生がお怒りの様子である。

海賊版サイト「ブロッキング要請は法的に無理筋」東大・宍戸教授、立法を議論すべきと批判

ただ、何を議論しているのかは一般の人には良く分からないとおもうので、解説してみたいと思う。

そもそも、インターネット上の通信は電気通信事業法の問題となる。

第四条 電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密は、侵してはならない。
2 電気通信事業に従事する者は、在職中電気通信事業者の取扱中に係る通信に関して知り得た他人の秘密を守らなければならない。その職を退いた後においても、同様とする。
DNSへの正引きも逆引きも、送信先に関するものであるから、通信の秘密で保護されるというのが一般的な考えである。

で通信の秘密を犯すと刑罰が待っている。
第百七十九条 電気通信事業者の取扱中に係る通信(第百六十四条第三項に規定する通信を含む。)の秘密を侵した者は、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
2 電気通信事業に従事する者が前項の行為をしたときは、三年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する。
というわけで、法律上はISPはブロッキングしたくても刑罰が怖くてブロッキング出来ないという立て付けになっている。

これに穴が空いたのが児童ポルノである。
児童ポルノサイトを遮断するのは、緊急避難なので処罰されない場合があるという解釈が有識者から出たのである。
刑法
第三十七条 
自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
2 前項の規定は、業務上特別の義務がある者には、適用しない。
この緊急避難は、小説ではよく出てくるが、実務的には滅多にお目にかからない法理である。その法理がここで突然出てきたのである。

緊急避難は、①現在危難の存在、②避難行為であること、③やむを得ずにした行為、つまり、他に取るべき方法が無かった場合であること(補充の原則)、④生じた害が避けようとした害の程度を超えないこと(害の均衡)を要するとされている。

その上で、児童ポルノサイトのブロッキングは児童に与える悪影響が大きいし、他に方法がないということで緊急避難の要件を満たす場合もあろうということで、2011年4月からDNSポイズニングによるブロッキングが行われてきた。そうである。

今回のは、著作権者の人達が、児ポで空いた穴に目をつけて,海賊版対策サイト対策の場合も緊急避難の要件を満たすだろうということで、政府がブロッキングを要請するということになったようである。

この問題の背景には、出来の悪い民訴法とプロ責がある。相手を訴えたり特定する手段がないし、特定に時間がかかるというのは補充の原則に関する最大の根拠となろう。プロ責の出来が悪いこと自体は私も認めるところである。

ブロッキング報道の反響は大きい。

記事
アメリカ
米映画協会関連団体の米国弁護士が、ドイツ連邦最高裁判所を引っ張り出して日本でも適法となると言っているようであるが、米国の弁護士がドイツを引っ張ってる時点で
「君の国の法理でどうなるねん?むりなんやろ?」
というツッコミしかない。

日本の有識者も大騒ぎである。実は、私の専門分野的に、これに関係している人がほとんど顔見知りなのであるが、賛成反対に別れて大騒ぎである。

いろんなところから反対の意見が出されている。

ICSA 
http://netsafety.or.jp/news/info/info-026.html
情報法制研究所 
https://www.jilis.org/pub/20180411.pdf 
EMA http://www.ema.or.jp/press/2018/0411_02.pdf 
JPNIC 
https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2018/20180412-01.html
JAIPA https://www.jaipa.or.jp/information/docs/180412-1.pdf
あんしん協 https://www.good-net.jp/information/press-release/80
全国消費生活相談員協会 http://www.zenso.or.jp/information/news/4474.html
 

で、大騒ぎであるが、当の海賊版サイトは、今回の報道で認知度が上がったのがナチュラルDOS攻撃になったのか、サーバダウンしたり、ふらふらしたりのようである。
 
私は、、児童ポルノに関しても緊急避難が成立するとは思ってないし、著作権対策に補充の原則・害の均衡を満たすとも思えない。
ブロッキングは立法でなければならないし、仮に立法がされても司法判断またはそれに変わる適正な手続保障がなければ、その立法は違憲と思っている。

そもそも、緊急避難という曖昧な要件で、著作権の穴を広げたら、名誉毀損で穴がさらに広がって、最後は政治的なスキャンダルをプライバシー侵害で止めれることになりかねない。
今の政府をみる限りそうならない方が不思議である。
しかも、DNSポイズニングは容易に回避可能である。
そんなもののために、政府がISPに要請という名の強制をするのは、無意味であるし、あまりに検閲に近すぎる。

そもそも、海賊版サイトの白黒は決まっていない。それを決めるのは政府ではなく裁判所である。

著作権法の権利者側の弁護士にとって、他に取るべき方法が無かったとしても、それだけで補充性の要件が充たされるわけではない。プロ責関係の弁護士にとって本当に採るべき方法が無いときに補充性を認めるべきである。

というわけで、彼らがやるべきはロビー活動でも被害4000億というデタラメな資料を作ることでも無く、ちゃんとしたスキルを有する弁護士に依頼することである。

ちょっと高いよ” (´・∀・`) /

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2018/03/23

FOREST OF PUBLICITY デーモン閣下

デーモン閣下がNHKに肖像を無断使用されたとお怒りの様子である。

記事

デーモン閣下が、NHKのアニメ番組で自身の肖像を無断使用されたとして「組織としての誠実な対応を求む」とした。

これを巡って二人の弁護士が激論を交わしたようである。

記事

元裁判官で国際弁護士の清原博氏は「無断使用しても肖像権の侵害にならない可能性が高い」との見解。芸能人の肖像権侵害に当たる主なケースとして「芸能人の氏名や肖像を勝手に利用して金もうけをしているケース(パブリシティー権の侵害)」「本人のイメージが著しく害されたり感情が強く傷つけられるケース」の2つを挙げ、今回の件はこれらに該当しない可能性が高いとの見方を示した。

 佐藤弁護士は「清原先生のご意見はもっともなんですけど、聞いているとやっぱり元裁判官ふうの意見だなと思う。証拠からしか、相手の気持ち、デーモンさんの気持ちを読み取れていない。本人の気持ちに寄り添う弁護士であればこれは違法ですよ」と清原弁護士に反論。

二人の発言は、テレビ向けに省略している部分が多いと推察されるが、権利関係を整理するとややこしい。

(注 法律の話がお嫌いな人は、このあとをすっとばして最後だけ読んでも、この記事の大意は理解可能です。)

問題になるのは、肖像権、パブリシティ、著作権その他である。

肖像権とは、みだりに自己の容ぼう等を撮影されない権利である。
和歌山カレー事件に関する報道に関するもの(最高裁平成17年11月10日)が民事で有名である。

この事件は、撮影だけでなく、公表が適法かについても受忍限度を問題にしている。

人は、自己の容ぼう等を描写したイラスト画についても、これをみだりに公表されない人格的利益を有すると解するのが相当である。しかしながら、人の容ぼう等を撮影した写真は、カメラのレンズがとらえた被撮影者の容ぼう等を化学的方法等により再現したものであり、それが公表された場合は、被撮影者の容ぼう等をありのままに示したものであることを前提とした受け取り方をされるものである。これに対し、人の容ぼう等を描写したイラスト画は、その描写に作者の主観や技術が反映するものであり、それが公表された場合も、作者の主観や技術を反映したものであることを前提とした受け取り方をされるものである。したがって、人の容ぼう等を描写したイラスト画を公表する行為が社会生活上受忍の限度を超えて不法行為法上違法と評価されるか否かの判断に当たっては、写真とは異なるイラスト画の上記特質が参酌されなければならない。

問題は受忍限度か否かである。
ちなみにカレー事件の報道では、

被上告人が手錠、腰縄により身体の拘束を受けている状態が描かれたものであり、そのような表現内容のイラスト画を公表する行為は、被上告人を侮辱し、被上告人の名誉感情を侵害するものというべきであり、同イラスト画を、本件第2記事に組み込み、本件写真週刊誌に掲載して公表した行為は、社会生活上受忍すべき限度を超えて、被上告人の人格的利益を侵害するものであり、不法行為法上違法と評価すべきである。

と判断されている。

今回、問題になるのは、デーモン閣下は厚塗りのメーキャップなので、実際にはどこの誰か区別がつきにくいという点である。この点も受忍限度の判断において考慮されることになろう。ただ、閣下はあれが素顔とおっしゃってるので、閣下の設定を前提にすると悪魔であるデーモン閣下の容貌が人の容貌になるかが問題になってさらにややこしい。

デーモン閣下の場合は、単なる肖像権ではなく、パブリシティの主張も考えられる。
英語では両方パブリシティなのであるが、なんでか、日本では別個に扱われている。

パブリシティでは、ピンクレディの無断利用を巡る最高裁(最高裁平成24年2月2日)が超有名である。

肖像等は、商品の販売等を促進する顧客吸引力を有する場合があり、このような顧客吸引力を排他的に利用する権利(以下「パブリシティ権」という。)は、肖像等それ自体の商業的価値に基づくものであるから、上記の人格権に由来する権利の一内容を構成するものということができる。他方、肖像等に顧客吸引力を有する者は、社会の耳目を集めるなどして、その肖像等を時事報道、論説、創作物等に使用されることもあるのであって、その使用を正当な表現行為等として受忍すべき場合もあるというべきである。そうすると、肖像等を無断で使用する行為は、〈1〉肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用し、〈2〉商品等の差別化を図る目的で肖像等を商品等に付し、〈3〉肖像等を商品等の広告として使用するなど、専ら肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするといえる場合に、パブリシティ権を侵害するものとして、不法行為法上違法となると解するのが相当である。

ここでも、悪魔であるデーモン閣下が、人格権に由来する権利を主張することの可否が問題になる。仮に出来るとして、顧客誘引力があると認められる可能性は高そうである。
すると、顧客吸引力の利用を目的とする利用に該当するかの問題となる。

そして、著作権である。
仮にデーモン閣下のあの顔が素顔ではなく、メーキャップであるとすれば、あのメーキャップに創作性が認められれば著作物として扱われ、これを他人が無断で使用する行為は違法となる。
また、あのメーキャップは結構著名なので、これが商品等表示に該当すれば、不正競争防止法2条1項1号で保護され、これを他人が商品に表示することは違法となる。

この前提知識を踏まえて、両弁護士の見解を検討すればテレビ向けの発言の裏側の意図などが解って面白いのではないか?

というわけで、法律構成がややこしいので、デーモン閣下には、法廷闘争ではなく

「おまえも蝋人形にしてやろうか!」

で、気に入らない奴を全員ろう人形にして、簡潔に解決してほしいところである。

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2018/01/30

知的財産の刑事罰規定範囲を明確化し濫用防止を

「知的財産の刑事罰規定範囲を明確化し濫用防止」

というテーマで、月刊「FACTA」2018年2月号に寄稿したのが掲載された。

この話、記者から、知財における刑事処罰の拡大を聞かれて、

「そんなん、みんな知ってることでしょ?」

「えぇ!」

というわけで、特別寄稿ということになったのである。

内容は知らない人には盛ってると思うかも知れないが、書かれていることは、この国の刑事司法そのまんまである。

FACTAはオンラインでも読める。

この記事は、今は、無料で読めるようである。

リンク張っておいたので、興味ある人はどうぞ。

FACTAオンライン

2018年2月号 DEEP [特別寄稿]                               
by 壇 俊光(弁護士)

FACTA

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2018/01/05

貴乃花親方理事解任

日本相撲協会は4日貴乃花親方を理事解任したようである。
巡業部長でありながら、協会に対する報告を欠いたうえ調査に非協力的だったというのが理由のようである。

定款を見る限り、32条1項の「職務上の義務に違 反し、又は職務を怠ったとき」を理由とするようである。

これに対して、貴乃花側が訴訟に出る可能性等を報道する記事もある。だ、こういう訴訟に関しては部分社会の法理という壁が結構高い。

部分社会は「一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的問題にとどまる限り、裁判所の審判権は及ばない」という法理であり、大学や政党などで適用されてきた。

仮に貴乃花側が解任の無効を裁判で争っても、規約が無効でないかぎり、規約に従って手続きをしているかという形式面の判断で終わる可能性が高い。

で、解任後池坊評議員の記者会見がなされたようである。

メディア戦をおこなう弁護士の目から見ると、漢検の前歴があり、公益法人に寄生しているお方という印象の池坊氏のキャラクターもさることながら、礼儀がどうたらという処分が言いがかりだった印象を与える発言内容といい、近年まれに見る最低レベルであった。

早速、池坊氏に対する批判のツイートが出ているようである。

神聖な国技を私物化してるようなイメージを与えたのだから仕方ない。

膿を出し切りたい

お前が膿やろ!と突っ込んだのは私だけではないようである。


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2017/12/06

水に飛び込み命を落とすイノシシ

京都のお堀で溺れた猪がいるらしい。

記事

イノシシの死体に塩のようなものを振り、手を合わせる関係者ら

だそうであるが、猪の肉を堀の水で良く冷やし、塩を振って、手をあわせたら言うことはただ1つ。

いただきます!

ぼたん鍋が美味しい季節である。

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2017/12/01

強制わいせつ罪の判例変更

先日、強制わいせつ罪成立の要件を巡り、判例変更がされたというニュースを見た。
記事

早速、裁判所のHPにも掲載されている。
HP

この話は、法学部で勉強した者でも無い限りなかなか解りにくいので、ここで解説してみることにした。

これまでの刑法理論では、単なる性的に被害者が嫌な行為をする意図では足りず、主観的構成要件要素として、性的意図が必要とされた。

注 ここまで読んでなにがなにか良く分からない人は、最後の一文だけ読んでも大意は理解できます。

第一七六条 十三歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
 

何でかというと、客観的な行為として、人の嫌なことを強要することは、強要罪等が成立する。

第二二三条 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。
 

それを超えて、強制わいせつ罪が成立するためには、単に強要的な行為がおこなわれるだけでは足りず、主観的に性的な意図が必要だとする学説が有力に主張されてきたのである。

最高裁(昭和45年1月29日)もこれを肯定した。

「刑法176 条前段のいわゆる強制わいせつ罪が成立するためには,その行為が犯人の性欲を刺 戟興奮させまたは満足させるという性的意図のもとに行なわれることを要し,婦女 を脅迫し裸にして撮影する行為であっても,これが専らその婦女に報復し,また は,これを侮辱し,虐待する目的に出たときは,強要罪その他の罪を構成するのは 格別,強制わいせつの罪は成立しないものというべきである」

この判例に対しては、従前から、わいせつか否かは客観的に区別されるべきであるという批判もあった。今年、最高裁裁判官となった山口厚先生もその1人である。

今回の最高裁は、昭和45年判例を判例変更したのである。

判例変更は、15人の大法廷で弁論を開いておこなう必要がある。

私は経験が無いが、ほとんど、ゼーレなあれである。

刑法176条にいうわいせつな行為に当たるか否かの判断を行うた めには,行為そのものが 持つ性的性質の有無及び程度を十分に踏まえた上で,事案 によっては,当該行為が行われた際の具体的状況等の諸般の事情をも総合考慮し, 社会通念に照らし,その行為に性的な意味があるといえるか否かや,その性的な意 味合いの強さを個別事案に応じた具体的事実関係に基づいて判断せざるを得ないこ とになる。したがって, そのような個別具体的な事情の一つとして,行為者の目的 等の主観的事情を判断要素として考慮すべき場合があり得ることは否定し難い。

し かし,そのような場合があるとしても,故意以外の行為者の性的意図を一律に強制わいせつ罪の成立 要件とすることは相当でなく,昭和45年判例の解釈は変更され るべきである。

主観的構成要件要素としての、性的意図は不要としても、故意論として、わいせつな行為をおこなっていること、わいせつな結果を生じさせていることに対する認識は必要である。

最高裁は、わいせつ性の認識を超えて、性的な意図までは一律には不要とした点で、従前の判例を変更したものと評価出来る。

ただし、最高裁の理由付けは曖昧である。

最高裁は、性的意図を一律に強制わいせつ罪の成立要件とすることは相当では無いとするが、基本的に、主観的構成要件要素としての性的意図は一律に要するか要しないかである。基準も示さずに、この場合は、性的意図が必要であるが、この場合は性的意図は必要で無いというのであれば、世間が混乱して仕方ない。

最高裁も、わいせつな行為に当たるか否かの判断をおこなう際に、性的な目的の有無を判断することを要すると述べているが、主観と客観をごっちゃまぜの構成要件論を採用しない限り、性的意図という主観的構成要件要素と、客観的な構成要件要素であるわいせつ行為は別の要件である。
最高裁を意地悪に読めば、被告人の認識があれば、主観的構成要件要素でもって、客観的構成要件要素を認定できることになるし、「とりあえず自白獲ってこいや!」判決との誹りを免れない。

なんとなく、主観的超過要素の問題点をわいせつ性の要件にペンディングしただけにも思われる。

性器ならぬ世紀の判例変更であった。

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2017/11/13

娘たちとの15年、返ってこない・・・ゴビンタ氏語る。

東電OL事件を知っているだろうか。

東京のアパートの一室で、東電の幹部社員の遺体が発見された事件である。

捜査の末、1997年に1人のネパール人が逮捕された。

彼は、無罪を争い、長期の勾留生活を余儀なくされた。
努力の甲斐あってか、2000年に東京地裁は、現場に第三者がいた可能性が否定できないとして無罪判決をした。

しかし、検察は控訴し、さらに、勾留を求めたところ、東京高裁は、紆余曲折の末、一審が無罪であるにもかかわらず、東京高裁第4刑事部(高木俊夫裁判長、飯田喜信・芦沢政治裁判官)が勾留を認め、異議申立を受けた東京高裁(高橋省吾 青木正良 村木保裕)も勾留を支持し、最高裁(藤井正雄、遠藤光男、井嶋一友、大出峻郎、町田顯)遠藤、藤井裁判官の反対もあったが勾留を認めた。

その結果、彼は再び長期の勾留生活を余儀なくされた。

その後、 東京高等裁判所第4刑事部は、逆転有罪判決を出し、2003年最高裁(藤田宙靖裁判長、金谷利廣・濱田邦夫・上田豊三裁判官)も有罪を支持し、彼は服役することになった。

ただ、その後、DNA鑑定を実施したところ、遺体から採取された精液のDNAが彼のものとは異なり、現場から検出された第三者の陰毛のDNAと合致することが判明した。
精液の存在は、検察は認識していたが、明らかにしていなかったのである。

検察が再審に反対し、勾留をするよう求める中で、刑の執行停止がおこなわれた。」

彼が帰国することが出来たのは2012年のことで、再審無罪判決となったのは、2012年11月7日のことである。

そんな彼が、事件後初めて来日してインタビューに応じたようである。

記事

「僕の若さはもう戻ってこない。僕の人生の一番いい時期は刑務所の中だった」

私は、これを読んで、デタラメな逮捕の後、ガンで死に至った若きプログラマを思い出さずにはいられなかった。彼は勾留中に胃がんであるにもかかわらず検査すら受けさせてもらえなかったのである。

死ぬ前、彼は、「僕は日本に殺された。とても悔しい」と言って泣いていた。

被告人は、たとえ無罪であっても、とてつもない犠牲を強いられる。

それにもかかわらず、無辜の人を罪に陥れた人は誰も責任をとらない。

逆転有罪判決を出した、高木裁判長は、定年退官の後、瑞宝重光章を受賞し天寿をまっとうされたようである。飯田裁判官は、再審無罪判決の後2013年に依願退官をし、芹沢裁判官は現在も裁判官を続け現在は福島家庭裁判所の所長のようである。

異義を退けた東京高裁の高橋裁判官はロースクールの教授となり、青木裁判官は簡易裁判所の判事を続け、村木裁判官はその後児童買春で弾劾罷免となった。

不利な証拠の存在を黙っていた検察は名前すら出ない。

警察は、悪びれるところか、彼が真犯人だと今でも言っているものがいると聞く。

決して忘れてはいけない。

この事件を、

そして、えん罪は、検察の狂気と、裁判官の暗愚と、弁護人の無能が生み出していることを。

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2017/11/10

情報ネットワーク法学会第17回大会

今年も、情報ネットワーク法学会の季節が来た。

情報ネットワーク法学会というのは、サイバー法にまつわる分野を研究するインパクトファクターほぼゼロの学会である。

年に一度の研究大会は、飲み会と勘違いして参加する弁護士も多い緩ーいところである。

今年は2017年11月11~12日に名古屋大学で開催である。
3代目J Soul Brothers見に行くくらいなら、学会行くべしである。

というわけで、大会ページのプログラムがiframeになってたので、そのまま貼って置くので参加されたしである。

やる気のある人達と意見交換できるのは楽しみである。




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«高速の追い越し車線で停車させたら何罪なのか