Winny 天才プログラマー金子勇との7年半

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「Winny」も「天才プログラマー」も「金子勇」も盛り込んで検索ワードを意識しすぎな小説が、2020年4月24日にインプレスR&Dから出版されることになった。

 

インターネットウォッチの紹介記事

インプレスR&Dのリリース

PRタイムのプレスリリース

 

これは、壇弁護士の事務室のスピンオフブログ「アターニアットロー」を時系列に整理して、小説として書き直したものである。

執筆中は、当時のあれこれを思いだしては、怒ったり、悲しんだり、笑ったり、泣いたり大変であった。

ブログからの移植という割には、出版まで数年かかっている。

途中で担当者も出版社も複数回変更された。ヒロインを登場させろとか、さび前の歌みたいに結末を最初に書いてインパクト勝負だとか、金子の内心を描いてないから小説として成立してないとか、業界人が読みもせずに業界風を吹かす発言にはヽ(#`Д´)ノな感じであった。
しかし、Winny事件や金子勇という人物について事実をそのまま伝えるという、根本のところはぶれずに書けたと思う。

ところで、この小説、元が無償で公開されてるんだからブログ見たらいいじゃんと言われかねない。しかし、既にアターニアットローを見た人でも楽しめるようにいろいろ工夫しているので、そう言わずに、小説版も見て欲しい。

Winny事件は、現在、映画化の企画もあるようである。私の役を誰がやるのかをいつも聞かれるが、私は知らない。。。。というより、その質問が多すぎて辟易している。

最後に、出版の際には紙面の都合で乗せれなかった方々にスペシャルサンクスをば(追加予定)。

坂和宏展(弁護士)さん 彼の「小説を読みたい」という一言がなければ、途中で止めてたと思う。ありがとう。

山本祐規子(元ロースクール生)さん ゲラの確認、示唆に富む指摘ありがとう。

 

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2021/08/25

じょいんとあくしょん

昨日、反社組織のトップに対する死刑判決が下されたという記事をみた。

量刑はともかく、共同正犯を免れるのは難しいと思っていたのでそれほど驚きではない。

ただ、共謀共同正犯の基本を理解してないと何のことだか解らないだろう。

というわけで、ほとんど素人を無視した解説をすることにする。

今回は、共謀共同正犯が問題になった訳であるが、この共謀共同正犯というのは、実際に実行していなくても共同正犯に問えるという理論である。

そもそも共謀共同正犯は、直接実行した奴が悪くて間接的に関与した者は従属的であるという刑法典の規定に対して、組織の上位の者が共犯というのはおかしいということから正犯にするために生まれた理論で、いわば裁判所の処罰への意欲が法をねじ曲げた理論である。

で、この共謀共同正犯が最高裁で注目されたのは練馬事件(最判昭和33年5月28日 刑集12巻8号1718頁)である。

練馬事件というのは、労働争議に関連してお巡りさんが撲殺された事件である。

当時、共同正犯というのは、実行行為を共同してなければだめと考えられていたので、共同正犯は成立しないと激しく争われた。

この事件で最高裁は、共謀共同正犯を認めつつ

共謀共同正犯が成立するには、二人以上の者が、特定の犯罪を行うため、共同意思の下に一体となって互に他人の行為を利用し、各自の意思を実行に移すことを内容とする謀議をなし、よつて犯罪を実行した事実が認められなければならない。

と判示した。

この判例により「共同意思主体」説が大流行するとともに、「相互補充関係」「自己の犯罪」「謀議」の要件が示された。

ただ、この時点では、「謀議」とは、具体的に話をするものを意味すると考えられていた。

それが大きく変わったのはSWAT事件(最判平成15年5月1日 刑集第57巻5号507頁)である。

これは、暴力団間の抗争中に若頭が護身用に銃を所持していたことについて、組長が若頭と共同所持していたとして共謀共同正犯に問われた事案である。

直接の正犯である若頭は一貫して、組長からは銃の所持を禁止されていたが、自分の判断で所持したと言い続けていたのである。

これについて、最高裁は、

個々の任務の実行に際しては,親分である被告人に指示されて動くのではなく,その気持ちを酌んで自分の器量で自分が責任をとれるやり方で警護の役を果たすものであるという共通の認識があった。

自発的に被告人を警護するために本件けん銃等を所持していることを確定的に認識しながら,それを当然のこととして受け入れて認容している。

 前記の事実関係によれば,被告人とCらとの間にけん銃等の所持につき黙示的に意思の連絡があったものと認められる。

と判断した。

この裁判例では、「相互補充関係」の要件も「自己の犯罪」の要件もどこに行った感があるが、ここで問題にされたのは「謀議」である。

というのも、黙示の意思連絡というのは、一般の法律家の理解では、証拠を総合すれば、明示的に意思連絡したのと同視できるような事実関係がある場合を言う。

しかし、子分の誰かが銃を持っていると認識していても、明示的に銃の所持を話合ったことと同視できる程の事実関係はない。

そこで、それを補うのが指示される前に動くのが当然という暴力団という組織の特殊性であり、この裁判例は暴力団という組織の特殊性故の理論と考えられていた。

深澤裁判官の補充意見でも

被告人はA組の組長としてこれら実行行為者に対し圧倒的に優位な支配的立場にあり,実行行為者はその強い影響の下に犯行に至ったものであり,被告人は,その結果,自己の身辺の安全が確保されるという直接的な利益を得ていたものである。 

と暴力団組織の特殊性に言及している。

また、謀議の相手が、具体的に誰ということを認識して無くても、子分の誰か程度の認識でも謀議であるとされたのである。

これも暴力団組織の特殊性くらいに考えられていた。

 

このように暴力団相手の特別理論と思われていた黙示の意思連絡であるが、実際は違った。

それがHPS事件(令和3年2月1日)である。

これは、動画投稿サイトとライブチャットで無修正なものを配信した配信者と、配信システムの外注先の社長と相談役が共謀共同正犯に問われた事案である。もちろん、配信者と外注先に意思連絡らしきものは全く存在しない。

他にも多数の論点があるが共同正犯について最高裁は、

本件各サイトに無修正わいせつ動画が投稿・配信される蓋然性があることを認識した上で,投稿・配信された動画が無修正わいせつ動画であったとしても,これを利用して利益を上げる目的で,本件各サイトにおいて不特定多数の利用者の閲覧又は観覧に供するという意図を有しており (中略)無修正わいせつ動画を投稿・配信することについて,黙示の意思連絡があったと評価することができる。

と判断した。

ここでは、SWAT事件で示されていた強度の支配関係もない。認められるのは、ただ、「利用関係の認識程度」である。

せいぜい不特定多数に対する幇助の意思程度とも言えよう。でも、幇助ではなく共同正犯なのである。

Winny事件以降、京都で幇助での起訴は決裁が下りなくなったから、共同正犯で起訴しているとも聞くが、そんなことはどうでもいい。

誰かもわからないシステムの利用者とシステムの外注先の社長らとの間に謀議が認められることになったのである。

つまり、不特定人との謀議というのが完全に認められたとともに、その不特定の利用者のうちに日本のユーザがいてシステムを日本の法律的に違法な利用方法で利用することで自分も利益を得ているという程度認識(その不特定の利用者のみから利益を得るというわけでも、主たる利益というわけでもなく、その不特定の利用者からも利益を得ている程度の認識があればいい)があれば共同正犯ということになったのである。

要するに、システムの外注先は、システムを用いて悪いことをしている人がいると認識していたら謀議有りということである。

いや、システムに限らない。なんでもありか。

この事件の最高裁判例解説は、事例判断であることを強調しているが、説得力の無さは半端ない。

練馬事件以来の「謀議」の要件は、こうやって判例変更の手続きを経ずに完全に骨抜きにされたのである。

 

じゃあ、共同正犯じゃなければいいのかというと、間接正犯では、社長というだけで、間接正犯になるという裁判例もでていて、間接関与者の処罰は何でもありの世界になっている。

 

こういう現状に鑑みれば、暴力団組織のトップに共謀共同正犯に問われるのは極めて容易と言わざるを得ない。

私は、組織のトップの方が

「公正な判断をお願いしたんだけど、全部追認、追認。あんた、生涯、この事後悔するよ」

と言ったという記事を見て、

いや、親分さんでも、日本の刑事司法が公正とでも思ってたんだ!

と驚いたところである。

 

既に日本の刑事司法は宗教裁判レベルになっている。

ただし、自分が捕まるまでそのことを自覚しない。

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2021/07/24

人質司法

カルロスゴーンの弁護人として一般の人にも名を知られるようになった高野隆先生の渾身の一冊「人質司法」が出版された。

そこで早速購入して、勝手に案件記事を書くことにした。

高野先生は、(当時は)米国に留学すれば金儲け出来る弁護士になれるのに、あえて、刑事弁護の途を選んだ希有なお方である。

そのおかげで、キースエバンスの「弁護のゴールデンルール」という名著が日本に紹介されて、日本の法廷弁護術が飛躍的に向上したのである。

高野先生は、やめよう人質司法T シャツを作り、寝間着にするくらい人質司法と闘っているお方である。

 

写真の説明はありません。

 

高野先生は、手越祐也の代理人弁護士として宮崎駿ネタでバズったときも「似てないんだけどなぁ」と曰ったいささか空気を読めないお方である。

(いや、100%似てるってバズるやろ。。。)

 

そんな高野先生が、日本が世界から中世と非難される人質司法の象徴である、

被疑者の心を折るためとしか思えない①起訴前の長期勾留

黙秘権を覆す強力なエンジンである②取調受忍義務

否認への見せしめ用と言わずにはいられない③接見禁止

宗教裁判並みに安易に認められ勾留決定や保釈不許可を退ける根拠となる④「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由」

などについて先進国の法制度との比較や、日本の立法経緯、特に、リベラルな刑事訴訟法を立法したにもかかわらず裁判所が人権侵害的な解釈を打ち出していった経緯まで、脚注で引用文献までつけて緻密に書かれている。

もちろん、カルロスゴーンの弁護について、彼が、日本の刑事司法に失望していく経緯も記されている。

 

この本は、人質司法に関するものが網羅されており、全弁護士が座して読むべきと思う。

ただ、この本は、法学セミナーの連載企画ではなく、新書で出版されている。

新書は素人の方が手軽に読むはずのものである。。。。が、ブルーバックス以上に読者を選んでいる本となっている。

そのあたり同じ新書でも、弘中淳一郎先生の「無罪請負人」の様なマーケットへの鋭い嗅覚はまったく感じさせない。

 

というわけで、高野先生のお人柄を含めて、特に、先生が立法時の資料を見つけてワクワクしながらこの本を書いているところを思い浮かべながら読むとより一層楽しめる本となっている。

是非、どうぞ。

 

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2021/07/07

また命日

昨日は、Winny金子さんが亡くなって、8度目(命日を1とすると9度目?正しい数え方が解らない)の命日であった。

彼のために闘っていた日々を思いだしながら、1日を過ごしていた。

もう、昔のことなのだが、彼と話したこと、笑ったことは、案外忘れないものである。

そのどれもが、今となっては懐かしい。

最近、金子さんのことを話しする機会や、テレビで取り上げてもらえる機会が増えたような気がする。

彼の再評価は、彼の為に闘ってきた私にとってせめてもの慰めである。

ただ、金子さんは私より1才上である。私の役が金子さんよりえらいおっちゃんというのは勘弁してもらいたい。

 

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2021/06/15

日弁連シンポジウム「2021年改正プロバイダ責任制限法の総合的検討」

「2021年改正プロバイダ責任制限法の総合的検討」というシンポジウムをやることになった。

今回は、木村花さんのお母様である木村響子さんをお呼びしている。

総務省の担当者が被害者と同席するのは初めてかもしれない。

今回は、歩く立法事実のような木村さんのまえで、日頃、立法事実がないとかおっしゃる総務省がどんなことを言うのか楽しみである。

観念的な話ではなく、実務的に実効的な法制度は何かという議論をしたい。

このシンポはウェビナー開催で、もちろん、一般の参加も可能である。

是非、是非、参加いただきたい。

日弁連HP

日時 2021年7月12日(月) 18時~20時
場所 Zoomウェビナーを利用したオンライン開催
参加費・受講料 参加費無料・事前申込制
参加対象・人数 どなたでもご参加いただけます。
内容(予定)

◆報 告:木村響子氏(NPO法人 Remember HANA(設立準備中)代表理事)
「インターネット上の誹謗中傷の実情」

◆報 告:小川久仁子氏(総務省総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政第二課長)
「2021年改正プロバイダ責任制限法の概要」

◆報 告:壇俊光弁護士(日弁連消費者問題対策委員会幹事)
「2021年改正プロバイダ責任制限法の実務的問題点」

パネルディスカッション
パネリスト:上記報告者・齋藤隆弁護士(元東京高等裁判所部総括判事)
コーディネーター:板倉陽一郎弁護士(日弁連消費者問題対策委員会委員)

申込方法

申込期限:2021年7月8日(木)

下記のURL、又は二次元バーコードからお申し込みください。
お申し込みいただいた方に、Zoomウェビナーの接続情報などをお知らせいたします。

icon_page.png申し込みフォーム210712_code.png

※申込状況等によっては、申込締切り前に募集を打ち切る場合があります。あらかじめご了承ください。

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2021/05/21

池田模範堂

実は名門校出身で驚かされるタレントという記事を見た。

 進学校や名門校の出身者は多いそうな。

1位 森星/慶應義塾女子高等学校
2位 トリンドル玲奈/国際基督教大学高等学校
3位 いとうあさこ/雙葉高等学校
4位 菅田将暉/大阪府立池田高等学校
5位 八木真澄(サバンナ)/立命館高等学校
6位 佐藤健/埼玉県立越谷北高等学校
7位 椿鬼奴/桐蔭学園高等学校
8位 EXILE ATSUSHI(EXILE)/本郷高等学校
9位 有田哲平(くりぃむしちゅー)/熊本県立済々黌高等学校
10位 ミッツ・マングローブ/慶應義塾高等学校

へー、みなさん良いところいってらっしゃるんだねぇ。。。。菅田 さんも。。。 って池田高校!?

 

残念ながら、大阪府立池田高校は名門とは言い難い。

大阪府の高校偏差値ランキングでは、1位の北野高校に圧倒的差をつけられ、大阪府下69番目である。

9位の済々黌高等学校 の偏差値 73に圧倒的差を付けられている。

 

なんでこんなことを言うかというと、私が池田高校出身で菅田 さんの高校の先輩にあたるからである。

アメリカンフットボール部だったらしいので、同じく池田高校出身の私の兄からすれば、部活の後輩ということになる。

池田高校出身の著名人は本当に少ないので、私は菅田 さんの存在が嬉しくてしかたない。

 

ちなみに、大阪府池田市には、池田という名前のつく高校は2つある。

1つは、大阪教育大学附属池田高校で、もう一つは大阪府立池田高校である。

この記事を書いた人は、附属池田と池田高校を勘違いしたのであろう。

よく間違われるが、池田高校は、大阪教育大学とは関係無く、また、野球も強くない。

池田高校あるあるネタである。

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2021/04/06

インターネット削除請求・発信者情報開示請求の実務と書式

神田知宏先生から献本いただいたので、ご紹介を。

神田知宏、清水陽平、中澤佑一というと、プロ責分野では3パカと呼ばれる有名人である。

それぞれが独特過ぎる個性をお持ちで、それぞれ、切磋琢磨しながらご活躍である。

今回、神田先生の出版をもって、3パカのプロ責基本書が揃ったことになる。

それぞれの性格が良く出ているので、見比べると楽しいかも知れない。

 

ついでに電問研から出版した

もどうぞ。法解釈を深掘りしたところに特色があると自負している。

 

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2021/01/07

彼岸過ぎまで

先日、三重県志摩市の飲食店で禁止されているヒガンフグの皮を提供したことで、女性客が食中毒の症状を訴えたという記事を見た。

記事

ただ、ふぐというと何となく危ないというだけで、どのように規制されているのか良く分からない人が多いと思われる。

そこで、日本で数少ないふぐ処理登録者(ふぐ調理師)兼弁護士の私が解説してみたい。

 

まず、食品衛生法は有毒食品の販売等を禁止しており有毒部位を含むふぐも有毒部位を含むので6条の禁止対象に該当するとされている。

これに反すると営業取消しや罰則もある。


食品衛生法
第六条 次に掲げる食品又は添加物は、これを販売し(不特定又は多数の者に授与する販売以外の場合を含む。以下同じ。)、又は販売の用に供するために、採取し、製造し、輸入し、加工し、使用し、調理し、貯蔵し、若しくは陳列してはならない。

 有毒な、若しくは有害な物質が含まれ、若しくは付着し、又はこれらの疑いがあるもの。ただし、人の健康を損なうおそれがない場合として厚生労働大臣が定める場合においては、この限りでない。
第五十五条 都道府県知事は、営業者が第六条、第八条第一項、第十条から第十二条まで、第十三条第二項若しくは第三項、第十六条、第十八条第二項若しくは第三項、第十九条第二項、第二十条、第二十五条第一項、第二十六条第四項、第四十八条第一項、第五十条第二項、第五十条の二第二項、第五十条の三第二項若しくは第五十条の四第一項の規定に違反した場合、第七条第一項から第三項まで、第九条第一項若しくは第十七条第一項の規定による禁止に違反した場合、第五十二条第二項第一号若しくは第三号に該当するに至つた場合又は同条第三項の規定による条件に違反した場合においては、同条第一項の許可を取り消し、又は営業の全部若しくは一部を禁止し、若しくは期間を定めて停止することができる。
第七十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、これを三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
 第六条(第六十二条第一項及び第二項において準用する場合を含む。)、第十条第一項又は第十二条(第六十二条第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
この「人の健康を損なうおそれがない場合として厚生労働大臣が定める場合においては、この限りでない。」がポイントで、適切なふぐを適切に処理して可食部位のみとしたふぐについては対象外となる。

フグの衛生確保について

昭和58年12月2日環乳第59号

各都道府県・各政令市・各特別区衛生主管部(局)長宛

厚生省環境衛生局乳肉衛生課長通知

1 フグについて、これまでに得られた知見等を基に可食部位等を明らかにしたことに伴い、今後は、次に掲げるフグ又は部位は、食品衛生法第6条第2号本文に該当し、かつ、同号ただし書に該当しない食品として販売等が認められないものとして取り扱われたいこと。ただし、(1)から(4)までに掲げるものにあっては、個別の毒性検査によりその毒力がおおむね10MU/g以下であることを確認した部位のみを販売等する場合は、この限りでないこと。

(1) 局長通知の別表1及び別表1の2に定める可食部位以外の部位(同通知別表1に掲げる種類のフグの卵巣及び皮であって、同通知別表2の塩蔵処理が行われ、又はその原料として用いられるものを除く。)

(2) 日本の沿岸域、日本海、渤海、黄海及び東シナ海で漁獲されるフグであって、局長通知別表1及び別表1の2に掲げる種類以外の種類のフグ

(3) 岩手県越喜来湾及び釜石湾並びに宮城県雄勝湾で漁獲されるコモンフグ及びヒガンフグ

(4) (2)の海域以外で漁獲されるフグ

(5) 一般消費者に対して未処理で販売されるフグ

S

で、ヒガンフグの皮は可食部位ではないので、食品衛生法違反で営業停止ということになるのである。

ふぐの皮は人気のようであるが、皮まで食べれるふぐはハリセンボン系の食える訳ねぇを除けば数種類しかない。

というよりフグのサメ皮引くのってホントたいへんなのよ。。。

 

ところで、ヒガンフグを私は食べたことがないが、フォロワー400万超の人気youtuber「気まぐれクック」でも取り上げられてることから、愛知県周辺では結構とれるフグのようである。

 

ふぐの毒は種類や部位や季節や個体によって毒量に差があるため、皮なら大丈夫と油断していたのかもしれないが、落とし穴は意外とこういう所にある。

ヒガン食って、自分がネハンに行っては元もこもない。

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2020/12/25

袴田事件最高裁決定

袴田事件について、最高裁第3小法廷が、再審を認めなかった高裁の決定を取消したとの報道を目にした。

知らない人もいるかもしれないが、袴田事件とは、1966年に静岡で発生した強盗殺人放火事件で死刑判決を受けた袴田さんが冤罪を訴えて再審請求している事件である。

1981年に申立した第1次再審請求は地裁、高裁、最高裁と再審を認めなかったが、2008年に申立てた第2次再審請求は弁護人の努力の甲斐あってか2014年3月27日に死刑及び拘置の執行停止並びに裁判の再審を命じる決定がなされたのである。しかし、検察がこれに即時抗告して2018年6月11日に高裁が再審決定を取り消す驚きの決定をした。そこで、弁護側が最高裁に特別抗告を申し立てていたのである。

今回の決定は、さっそく裁判所のHPに掲載されている。

決定は、再審で何が争われていたか良く分かるものとなっている。

争点は、公判開始後の1967年に味噌製造工場の味噌タンク内で発見された血染めの「5点の衣類」に関する鑑定とみそ漬け実験の是非である。
要するに、判決で犯行着衣とされた「5点の衣類」は袴田さんが犯人である証拠か否かである。

最高裁の多数意見は、本田教授の鑑定については信用性に乏しく新証拠とはならないものの、5点の衣類が発見された当時の実況見分調書等には血痕の色について「濃赤色」、「濃赤紫色」、「赤褐色」等の記載があるにもかかわらず、本当に犯行後からみそに漬かっていたのなら発見された時点では血痕は変色しているはずであるとして、高裁にその点について審理をするために高裁に事件を差し戻すというものである。

これについては、林景一、宇賀克也の両裁判官の反対意見があるが、これは、本田鑑定の信用性を肯定するとともに、再審事由ありと認められるのであるから、差し戻しをせずに再審決定をするべきというものである。

意見の違いはあるものの、高裁決定が誤っているということについては、第三小法廷が満場一致のようである。

ちなみに、知ったようなことを言ってるが、私は、この事件には関与していない。

私は、心の病にかかっていてろくに会話出来ない状態の袴田さんにお目に掛かって心を痛めた1人である。

私の私見は、メイラード反応以前に、衣類の件だけでも、知る限りツッコミどころ満載なので、さっさと再審決定して、少しでもでも袴田さんが安らかに暮らせるようにするべきと思っている。しかし、あの高裁決定が覆されたことについては、一方的に我がことのように喜んでいるところである。

同時に、冷静にこの決定を読んだとき、高裁決定程度の狂った判断をする裁判官は日本では珍しくとも何ともないなという、暗雲垂れ込める印象ももったところである。

この件、ニュースにも多く取り上げられているようである。

ただ、高裁で再審開始決定を取り消した大島隆明裁判官も、検察官の立場からの法医学を実践されておられ私自身も痛い目にあったことのある鈴木廣一教授等にもまったく触れられていないのは少し不満である。

袴田さんが失ったものを考えたとき、この最高裁決定は決してバンザイだけではないはずである。被告人がもっとも安易に扱われる刑事司法。被告人の人生を歪めても誰も責任をとらない刑事司法。

日本のチート刑事司法の構造を理解するには、もう少し踏み込んだ理解が必要である。

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2020/12/22

実効的な発信者情報開示請求のための法改正等を求める意見書

日本弁護士連合会から、「実効的な発信者情報開示請求のための法改正等を求める意見書」が2020年12月18日付けで総務大臣及び法務大臣宛てに提出された。

これは、発信者情報開示制度があまりにも不味い点について改善を求めるものである。

日弁連は、これまで、

消費者の救済のための発信者情報開示制度に関する意見書(2010年)

プロバイダ責任制限法改正についての要望書(2013年)

「プロバイダ責任制限法検証に関する提言(案)」に対する意見書(2013年)

と事あることに、発信者情報開示制度の問題点を指摘し、被害救済の為に実効性あるものとするよう改善を提言してきた。

もはや、私のライフワークになろうとしている。

しかし、通信の秘密を教義とする総務省はまったく応じようとしない。

 

テラスハウス事件を切っ掛けに、注目を受けた発信者情報開示制度の問題点であるが、

総務省は、テラスハウス事件のすこし前から「発信者情報開示の在り方に関する研究会」という審議会を開催して、先日、最終とりまとめ案を出した。

最終とりまとめでは、新しい手続きを創設するという方向が示されている。

これは、被害者があまり関与しない方向の非訟手続きのようである。

しかし、研究会の議論をみても、その新しい手続きとやらで、誰がどのような方法で発信者を特定していくのかわからない。

研究会の委員の方々は、確実に発信者を特定できる方法と情報というのが予め分かっていて、発信者が容易に特定できるとでも思っているかもしれない。しかしながら、確実に発信者を特定できる情報などない。そこをなんとかして特定の可能性を高めていくのが開示関係実務のノウハウである。私には、裁判所が、携帯電話会社が経由プロバイダであることを予想して、送信先IPアドレスや送信先URIを特定するためにdigを打ったり、ウェブのソースコードをレビューする姿は想像できない。

その他にも従前の手続きとの関係がどうなるか明確に議論されていないし、送達制度を議論しているものの送達条約非加盟国の法人に対してどうやって発令するかは議論されていない。

正直、問題点の多い手続きの改善のために、さらに問題点の多い手続きを新設しようとしているだけな気がする。例えるなら、穴だらけのほうきじゃゴミに困ると言われて、まったく機能しない大型掃除機を持ってきたが、掃除機が粗大ゴミにしかなってないというところか。

私には、総務省が各所からの批判の矛先を他に向けようとして、新しい制度を創設しようとしただけにしか見えない。

研究会では、パブリックコメントの結果を発表している。

私もパブリックコメントを出している。私が所属する弁護士有志のサイバー法研究会「電子商取引問題研究会」は九州の弁護士有志からなる「九州IT法研究会」と連名でパブリックコメントを出している。

私は、審議会で議論されている内容と実務がかなり乖離しているので、実務の観点からかなり指摘したはずである。しかし、結果発表を見る限り私の指摘の半分くらいが無視されていた。

今回は、名誉毀損が中心に議論されていたが、発信者情報開示は名誉毀損だけのものではない。

通信の秘密教団がいつまでも使えない制度にこだわれば、最後はブロッキング立法化の黒船が到来するだけである。

そのときに、教団はどうするつもりなのだろうか?

というか、前のブロッキング立法化の議論の際に、総務省が通信の秘密をあっさり売り渡そうとしたことを、私は今も怒っている。

 

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2020/10/08

第22回WiLLのご案内

今年も、WILLの季節が来た。

WILLとは「少年犯罪被害当事者の会」が1年に1度開催する、少年犯罪被害者に関するシンポジウム?である。

私が修習生のときに第1回があり、今年で22回である。

今年はコロナの影響でyoutubeでオンラインシンポジウムのようである。

 

今は、WILLと言っても、ITが専門の私がなんの関わりがあるのかと聞かれる。

それでいい。事件は忘れ去られていくものである。

しかし、子を思う親の心は消える事が無い。それがWILLをつづけていかなければならない理由なのだと思う。

 

<第22回WILLのパンフレット>

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★ とき 2020年10月10日土曜日午後 1 時から配信予定 (後日録画も公開予定)
★ 配信方法 YouTubeで動画を配信します

★主催 少年犯罪被害当事者の会
★後援 大阪府・大阪市
★お問い合わせ 少年犯罪被害当事者の会事務局代表 武 るり子
TEL 06-6478-1488

 

 

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