コメントがついたのでドラマの話
ドラマについて書いた記事
にdora-kouさんからコメントを頂いた。
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シナリオライターって、脚本書くこと自体が仕事なんで、
下調べをおろそかにする事が多いんですよ。
最近は職業的に精通された方がネット上で見解を
出す事が多くなったんで、その辺の脆さが露呈
されたんですけどね。
ただ、この辺の作りこみを重視しすぎると本質を
見誤ってしまうのが難しいところだったりします。
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まぁ、この点は警察の人の方がつらいであろう。
ドラマの警察は、すぐに被疑者殴っちゃうし、ショットガンまでぶっ放しちゃったりする。サスペンスのように、殺人現場に素人がどかどか入って訳の分からない推理を始めたら、そりゃ大抵の警察はぶち切れるであろう。
警察の人と雑談したとき「私ら、見るドラマ無いんですわ」と言っていた。お気の毒である。
私的には、接見室のあの穴が空いたアクリル板はどうにかして欲しいとおもう。
ところで、最近、離婚弁護士Ⅱなるドラマをちょこっと見てみることにした。
面接交渉権を巡る話であったのだが、思ったより間違いがなかった(ただ、そんな事件処理して、イソ弁と事務員をあれだけ雇って、あんな超高級マンションに住めるわけがないという根本的な問題はある。そちらの方が私には重要であったりするのだが)。
しかし、間違いが少ないので、私的にはドラマの落ちもわかりやすい。スキップスキップで結論を確認して見るのを終わってしまった。いずれにしても、私はその手のドラマを楽しめる立場には無いようである。
突っ込みと言えば、かつて「ビギナー」というドラマを見たことがあるだろうか。司法修習生がテーマのドラマだったのだが、夜は施錠されているはずの研修所の食堂でなぜか深夜に語り合ったりというのは初歩の初歩である。
放送時間のうち突っ込のない時間はCMだけという恐ろしいドラマであった。
ただ、ある回に、旦那が妻を殺害して同意殺人か単なる殺人かが争われて、それに対して修習生が悩みながらも殺人と認定した判決起案を提出したという事があった。
ドラマを見てる人は「作り話過ぎ!」と思ったかもしれないが、実際にはよく似た事案があったのである。というのも、私自身がかつて刑事裁判修習の時に、ドラマと似たような事案の判決を起案した事があるのである。
詳細は勘弁であるが、私が担当した事案は、もっと壮絶であったし、判決起案もドラマのよりは良いこと書いたと思う。しかし、ドラマのの主人公のように悩んで結論を出したことは一緒である。
弁護士になって数年が経過した今でも、この事案の事を考える事がある。事件に対する裁判官の姿勢を学んだことも得難い経験であった。
今、司法研修制度は、ロースクール時代を迎え大きく変動している。
しかし、どんな制度であれ、法曹三者がお互いを尊重できる制度であって欲しいと思う。
ロースクールでは、具体的符合説が優れている等と自説の解説に嬉々としている学者もいると聞くと、すこし心配ではある。
~この記事の最初を読んで、この結論を予想した者はいるだろうか。
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