板挟みの関係で
松本被告人の弁護人も困っているようである。
裁判所はまず、
「控訴趣意書は弁護人の意見なので、被告人と打合せしなくても、記録を見れば書ける」と言う。
しかしながら、これを真に受けて、被告人の意見を無視して控訴理由書を書けば、弁護士会の懲戒請求が待っている。当然、裁判所は弁護してくれない。
こんな場合、私選弁護人だったら辞任すれば良いのだが、国選弁護人の場合、弁護人が辞任したいと言っても裁判所は「弁護人を変えても同じことの繰り返しになる」と言ってなかなか辞めさせてもらえない。
このような板挟みの関係はつらいものである。
私は、かつて、被告人が弁護人との面談すら拒否するという事件で、ぶっつけ本番の公判で大変だったことあるので、このような弁護人の気持ちは良く分かる。
国選弁護人は、半ばボランティアとなっている。刑事弁護の感覚がボケないようにと言う理由で採算度外視でやっているという話も聞く。これから、ロースクール時代を迎え弁護士が増えるとして、当番弁護や国選弁護などのまじめにやれば割に合わない事件はどうなっていくのだろうか。
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