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2005年10月29日

2005/10/29

「異議あり! 嘘です」

実は、先月くらいにネタでフラッシュの「ギコ」版「逆転裁判」なるものをちょこっとやってみた。

ゲームとしてはとても作りこまれていた。しかし、予想に反せず、突っ込みどころ満載であった。
フラッシュ元とネタは黙っておいた方が良いと思うので内緒にしておく。

で、その「ギコ」版フラッシュ。
弁護士として気になったところを順番に突っ込んでおこう。
これは、別に、作品にけちをつけるつもりではなく、より楽しんでもらうためのスパイスと理解していただきたい。

①裁判所の被告人控室で被告人と弁護人が話をしているシーンがあるが、「被告人控え室」という場所が、何をことを言っているのかが「?」である。私は、殺人事件を含めてかなりの刑事事件を経験しているが、そんな部屋に入ったことはない。
②傍聴席は、基本的に法廷の後ろである。これは、海外でも基本的に同様と思われる。
③法廷に飾り物は基本的にない。槍みたいなのは、なんなんだろう。
④裁判長がいきなり木槌でコンコンするのは、根強い間違いである。少なくとも、日本ではそんな物をもつことはない。
⑤いきなり被告人質問をしているが、そんなことはまず無い。客観証拠から取り調べるのが刑事訴訟の原則である。
⑥検察官は、検察側証人の主尋問で自分で異議を出していた。これは、実際にはあり得ない。
⑦異議の際には、理由を述べなくてはならないが、相手の言っていることが嘘だからというのは、異議の理由としては認められていない。嘘かどうかは、あとで裁判所が決めることである。
⑧裁判官の証人に対する質問に検察官が答えている。実際にこんな事をし出したら、弁護人は怒鳴ってでも止めないといけない。
⑨証言を弾劾するのは、基本的には反対尋問でおこなう。矛盾点は単に聞けば良い。「異議あり!」など言わなくても良い。
⑩弁護側が「異議あり!」ってやって弾劾してるのに対して検察官が異議に異議を出していたりする。異議に対する異議はありえない。しかも、検察官が証人の代わりに弁解しているし。。。
⑪証拠って、そんな扱いはしないのですが。。。。
⑫うーーん、ネタバレになってしまうので、このあたりで。

ちなみに、尋問に先立って、まず、客観部分を押さえるのは、尋問の基本である。
というわけで、私はすらすら終わってしまった。やはり、この手のゲームは、私には向いていなのだろう。誰か、私のために超リアルな逆転裁判とか作ってみませんかぁ。

いやー、「異議あり 嘘です。」は、笑わしてもらった。

追記
「異議あり!」とやってみたいのは、別に一般の方に限ったものではない。司法試験に受かった司法修習生もやはり「異議あり!」とやってみたいようである。
模擬裁判を修習生がやると、重要なところでなくても「異議あり!誘導尋問です!」とか言い出して、進行が遅くなったりするのである。
これは、私の修習生時代の模擬裁判の話しである。

ちょっとおまけ
予想外に反響を呼んでいるこの記事であるが、引用しているサイトを見て一点だけ指摘を。
「異議あり!」は「意義あり!」ではない。それでは、褒めてる事になってしまう。

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