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2005年11月1日

2005/11/01

リンク元を見て

意外にも1日で1万ヒットを超える原因になってしまった逆転裁判ネタであった。

反響を見るためにリンク元をたどってみたら、意外にも「木槌使わないの?」と驚いている記載が結構あった。
刑事訴訟があまり普及してないと実感する限りである。ほんと、最高裁事務局も、ドラマに協力するなり、もう少し真剣に考えた方が良いと思った次第である。

さて、驚きは尋問に関する事が多いようである。実務では、あまり「異議あり!」とやらないのを知らないのはそうなのだろう。「異議あり!嘘です」も実際に私が修習生の時に、本人が自分でやっている事件で、法廷で「異議あり!嘘です」って言っていた人もいるのだから、誤解をしている人も多いだろう。
そもそも、実際の裁判では、主尋問と反対尋問が分かれていることや、主尋問と反対尋問で許される尋問の範囲が異なること自体がよく知られていないようである。

で、異議あり!とあまりやらない理由についてはいろいろあるが、
①自分が訴訟法に自信がないので、不適法異議を述べて恥をかきたくない。
②異議までは出さないから、任意に対応しなさいと促す趣旨。
の2つの場合が多いのではないか?

前提知識であるが、
刑事訴訟法309条では、証拠調べに関し異議を述べることができる。とあり、証人尋問も証拠調べ手続きに含まれるので、手続きに問題がある場合は異議を述べることができるのである。

異議の具体的な規定は、刑事訴訟規則205条以下に規定があるが、異議を述べる際には直ちに簡潔に異議の理由を述べる必要があり(規則205条の2)、理由の無い異議は却下(これが世間でおなじみの「却下」である)しなくてはならない(規則205条の4)。

裁判所は異議の申し立てには、遅滞なく決定をしなければならない。(規則205条の5)

ちなみに、正式な異議ではない場合でも、訴訟進行に関する意見であると扱われることになるので全く無駄ではない。ただ、裁判官は必ずしも決定をする必要がないので、法的な拘束力は無いことになる。

と言うわけで、異議を申し立てるには、刑事訴訟規則を知らないということで不適法却下とされるのが嫌なので異議ありと言わない場合がある。
他方、裁判所からいちいち決定してもらうまでもないので、相手に敬意をはらって、裁判所の判断の前に撤回しろという趣旨であえて異議としないこともある。この場合、相手の対応次第によっては改めて正式に異議を申し立てる場合もある。

ちなみに、異議の出し方は難しいものがある。基本的にどうでもいい場合にはあまり異議を出さないので、異議が出てくれば「ここが攻めどこなのか?」と相手に気づかせる場合がある。他方、民事であるが、適法・不適法やたらめったら異議を出して相手の尋問を妨害しようとするダーティな弁護士先生も散見する。

異議は下準備が大切。これはWinny弁護団主任の一言である。

というわけで、改正刑事訴訟法・刑事訴訟規則施行日ゆえのトピックである。

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