責任の行方
昨今なかなか香ばしい男になっている。ヒューザーの社長である。
この件についての責任問題の話は、マスコミが躍起になっているので、あまり興味がない。
私が言いたいのは、この手の問題で誰が最終的に負担をしなくてはならないかである。
多くの人にとって、マンションを購入するのは、スーパーで大根を買うのとはものが違う。一生に1回というのがほとんどではないだろうか。夢を見て、借金までして購入して、得たものは設計書の段階ですら十分な強度がない建物(施工の段階ではさらに低くなっている可能性すらある。)というのは、あまりに無情である。
もちろん、業者に責任追及可能であろうが、会社がつぶれてしまえば判決は紙切れ同然である。
そもそも、このような問題が起こらないようにするために、建築許可や基礎計算があるのではないだろうか?
いつも、この手の問題のコストは、消費者に押しつけられてしまう。悲しい話である。
この問題は、債務超過を隠す公認会計士などにも共通する話である。
確かに、お客からお金をもらう立場でありながら、お客に「NO!」と言うのは難しいことである。
しかし、住宅建築に携わる人たちは、欠陥住宅を造りたくて仕事を始めたのではないだろう。
お客の喜ぶ顔を見たくないのだろうか?志を持ってほしいところである。
情報ネットワーク法学会
今日は、南山大学で開催されている、情報ネットワーク法学会に出席している。
南山大学というと、とうぜん、町村先生であるが、今日は忙しそうである。
私的には、奈良先端科学技術大学院大学の山口英氏の立法に対する意見が心に残った。
「「ツールとしての法律」と言うと、怒られてしまう。」確かにそうであろう。
実は、法律は、紛争解決のツールのはずである。氏の言うように、法律による解決は顧客満足度が高いとは言えない。
ちなみに、南山大学の書籍部には、「Winnyを使って只で映画をダウンロードできる」などと書いている雑誌があった。しかし、Winnyの技術は売っていなかった。
LSE大阪大会
平成17年12月17日にLSEの大阪セミナーをすることになった。
今回は、ソフトウェアクリエータの皆さんに法律に馴染んでもらおうという趣旨である。
今回は、法律概論と、クリエータの皆さんに、普段何気なしに締結している契約というのは、実際にはどういう意味があるのかを理解してもらうということを予定している。
申し込みは、早めがありがたい。
法律問題でトラブルに巻き込まれないためには、正しい知識が大切なのである。
宣伝を忘れていた。
11月27日(日)は、福岡大会である。
私も出席する予定である。
資源開発
先日から、記事にするほど考えがまとまらなかったのである。
少年事件について、書かれたブログがある。
ここで紹介するとえてして迷惑がかかりがちなので、ここではURLは教えない。
ブログに興味がある方は他で調べて欲しい。
そこでは、少年事件に関わって来た裁判官の立場からいろいろと意見が述べられている。
記事には、裁判官ドグマと思われる記載も散見されるが、付添人(そもそも、家庭裁判所では、弁護人とは言わないのである。)に対して、「少年の資源を確保・開拓して欲しい」と言っている部分は非常に印象が残った。これは、まさにそのとおりと思う。
念のために、資源開発と言っても、私が少年と炭坑に行って石炭を掘るわけではない。平たくいえば、再起更正のための環境を作って欲しいということである。
少年事件は、少年の再起更正を主たる目的としている。少年の多くは家庭に問題を抱えていることが多い。少年自身が行く先に不安を持っていることも多い。要するに少年を取り巻く環境で何が原因なのかを自分なりに突き止め改善しなくてはならないのである。
少年と時間をかけて話をするなかで少年の悩みが見えてくる場合もある。
自分が取り扱った事件からの経験でいうと、少年事件の本質は、子供の更正というよりも、親の更正というのが正しい気がする。実際に、それまで少年院に2回行った少年の事件では、子離れ出来ていない親が心機一転して、子供に住み込みの仕事を見つけてきて、保護観察処分になったこともあった。このときは調査官にも恵まれていた。ただ、実際は、うまくいく事件はむしろまれである。私自身、少年に騙されたこともある。
少年事件は労多く、費用的にも割に合わないものである。これから、ロースクール時代を迎えて、これらの事件はどうなっていくのだろうか。すこし心配ではある。弁護士の資源開発も必要かもしれない。
さて、ここまでは、少年事件の話を取り上げたのであるが、資源確保が必要なのはべつに少年だけに限ったことではない。
私は、成人の刑事事件で、罪の成立自体は争ってなくて結論が見えている事件では、尋問で被告人や情状証人を怒り飛ばすこともある。それでも弁護人か?と言われるかもしれないが、そうではない。そうやって、再び犯罪に手を染めないようにしているのである。もちろん、他の方法も使うことがある。
そして、少年事件は少年の再起更正を目的とする場所であるが、そこには、犯罪被害者というもう一つの問題がある。少年は再起させるべきであるが、被害者の立場を無視した再起は許さるべきではない。これは、近年大きく取り上げられている問題であるが、私自身、かつてはサイバー法よりも犯罪被害者関係が専門と思われていた時期があったにもかかわらず、これといった意見を述べることができない。あえて言うと、少年もいろいろ、被害者もいろいろ、それをとらえる人々の感覚もいろいろで、一律の基準を作るのはあまりにも難しい。
で、2年ほど前、ある少年犯罪被害者の集会に呼ばれて行く機会があった。その打ち上げである学生さんが私に一言「先生は○○さんとどこで知り合われたんですか?」私、一応、その事件の弁護団入ってまして、一応一番証人尋問の担当回数多かったんですが。。。。
今は昔のようである。
ステーキの定義
フォルクスが公正取引委員会から排除命令を受けた。
ビーフステーキというのは、一枚肉という判断をしたのがおもしろかったので、この記事で取り上げたのであるが、一般の方には今回問題になっている景表法という法律は耳慣れないかもしれない。
実は、弁護士にもあまり知られている法律ではない。
景表法の正式名称は「不当景品類及び不当表示防止法」である。
これは、独占禁止法の特例として定められた法律なのである(景表法第1条)
独占禁止法というと、公正・自由な競争を促進する目的の法律である。闇カルテル問題などでニュースを騒がせることのあるので聞いた事があるかもしれない。
で、景表法も公正な取引のための法律だったりするのであるが、不当な表示(景表法4条)に該当する場合は、公正取引委員会は排除命令(6条)を出すことが出来るので、消費者保護の色合いを強めつつあったりするのである。排除命令が出された事例というのは意外に多かったりする。これについては、公正取引委員会のホームページを見て欲しい。
しかも、この景表法は、凄いことに、公正取引委員会は、必要な場合は業者に表示関する資料の提出を求めることができ、資料の提出が無ければ不当表示とみなすことができるのである(4条2項)。要するに、「事業者は表示するからにはそれなりの根拠をもっておきなさい。そうでなければ表示を禁止しますよ」ということである。
ところで、景表法に関しては、立証責任の転化ができた。しかし、本来の消費者保護法である消費者契約法は事業者に立証責任の転化までは認められていない。これについては、立法のねじれを感じる。消費者保護に携わる一人として、この点もがんばって欲しいところである。
追記
フォルクスのHPを見た。
「公正取引委員会が品質に問題がないと認めている」と記載されている部分は違和感を覚える。
そもそも、公正取引委員会は食品の安全性について判断する場所ではない。内閣府の外局で公正で自由な競争を目的とするところである。食品の安全性についての判断などは厚生労働省がおこなっているのである。
フォルクスがこのような発表をすること自体、立法のねじれを示す一例であろう。
もちろん、公正取引委員会のプレスリリースにも、品質に問題がないとは全く書かれていない。
フォルクスはサラダバーをよく利用していた。今回の加工が、発表のとおり、より柔らかくするための加工で、また、本当に安全なのであれば、堂々と売れば良い。もし、「加工肉」という名前が良くないのであれば他の名称でも良いだろう。ただし、今の日本では「本当に安全か?」が、一番大切な問題なのである。消費者に必要な情報の開示はしなければならない。
平成12年には未認可食品添加物を使用して食品を大量に販売した事件があった。この事件では、当時の取締役は未だに「人体に影響はなかった」と言い張り、混入の事実を公表しなかったことについても「明らかになったら大変だから」と言い、事実を公表しないことを経営判断と言い張っている。このような、日本の現状を見て、ふとそう思った次第である。
生協の白石さん。
先日から、アマゾンで注文していたのだが、
なかなか発送されずに、ようやく、昨日到着した。
読んで、白石さんの文筆の才にいたく感動した。
やはり、本物は、場所や立場を超えて受け入れられるのだなと思った次第である。
あと、感動したのは、白石さんと学生さんたちとで作られたコミュニティの存在である。
学生さんと、白石さんとの間には、一言カードでのやりとりしかないにもかかわらず、白石さんの回答を楽しみにしている学生さんや、学生さんの投稿を楽しみにしている白石さんがいて、そこにはコミュニティが築かれている。これは、白石さんの人徳はさることながら、学生さん達の白石さんへの敬意があってこそである。私は、学生さん達にも感動を覚えたのである。
今のコミュニティを続けてほしいとことを心から願っている。
テレビに出てみた。
関西ローカルの情報番組に出演してみた。
担当ディレクターの一人と知り合いだった関係で、出演が決まったのである。
録画ではテレビに出たことは何回かあったのだが、生番組は初めてであった。ホント久々に緊張した。
初めて法廷に立った日のことを思い出した。そのときは進行についての意見をカミカミでしゃべっていた。
初めて反対尋問をした日も思い出した。そのときもカミカミだった。声が裏返りそうになるのを必死で押さえていたような気がする。
そして、今日の私もカミカミだった。。。。えぇ、それが私ですから。
カメラに写らない部分を実際に出演側から体験することは、とても楽しかった。
第17回公判
11月7日に第17回公判があった。
今回は、引率のおかげだろうか、多数の参加者がおられた。これを機会に本当の裁判についてのやりとりに興味を持っていただければ幸いである。
何気ないやりとりの下にも地下水脈が結構流れていたりするのである。そこまで、感じ取ってもらえたら楽しさが分かってもらえるのにと思うところである。
金子氏は、人気者で、公判終了後、サインと握手を求められていた。彼の優れた技術と素朴な人柄が人気を呼んでいるのであろう。
その姿を見ていて、こんな人物(確かに、ちょっと変わり者ではあるが)を刑事訴追するときに、彼らは、日本の何がか良くなるとでも思ったのだろうか?
そう、ふと思った。
で、今日の一言
「もしや、カルシウムが足らなかったのでは?」
30万アクセス突破
ここ数日の勢いを反映して、ついに通算300,000アクセスを突破した。
一般の人には、難しすぎるとご指摘を受けるこのブログ。アクセス数が増えたのは、よきも悪きも墨香と逆転裁判というところだろうか。
ブログは、ようやく2年生、未だ、いろいろ学習するところが多いところである。
リンク元を見て
意外にも1日で1万ヒットを超える原因になってしまった逆転裁判ネタであった。
反響を見るためにリンク元をたどってみたら、意外にも「木槌使わないの?」と驚いている記載が結構あった。
刑事訴訟があまり普及してないと実感する限りである。ほんと、最高裁事務局も、ドラマに協力するなり、もう少し真剣に考えた方が良いと思った次第である。
さて、驚きは尋問に関する事が多いようである。実務では、あまり「異議あり!」とやらないのを知らないのはそうなのだろう。「異議あり!嘘です」も実際に私が修習生の時に、本人が自分でやっている事件で、法廷で「異議あり!嘘です」って言っていた人もいるのだから、誤解をしている人も多いだろう。
そもそも、実際の裁判では、主尋問と反対尋問が分かれていることや、主尋問と反対尋問で許される尋問の範囲が異なること自体がよく知られていないようである。
で、異議あり!とあまりやらない理由についてはいろいろあるが、
①自分が訴訟法に自信がないので、不適法異議を述べて恥をかきたくない。
②異議までは出さないから、任意に対応しなさいと促す趣旨。
の2つの場合が多いのではないか?
前提知識であるが、
刑事訴訟法309条では、証拠調べに関し異議を述べることができる。とあり、証人尋問も証拠調べ手続きに含まれるので、手続きに問題がある場合は異議を述べることができるのである。
異議の具体的な規定は、刑事訴訟規則205条以下に規定があるが、異議を述べる際には直ちに簡潔に異議の理由を述べる必要があり(規則205条の2)、理由の無い異議は却下(これが世間でおなじみの「却下」である)しなくてはならない(規則205条の4)。
裁判所は異議の申し立てには、遅滞なく決定をしなければならない。(規則205条の5)
ちなみに、正式な異議ではない場合でも、訴訟進行に関する意見であると扱われることになるので全く無駄ではない。ただ、裁判官は必ずしも決定をする必要がないので、法的な拘束力は無いことになる。
と言うわけで、異議を申し立てるには、刑事訴訟規則を知らないということで不適法却下とされるのが嫌なので異議ありと言わない場合がある。
他方、裁判所からいちいち決定してもらうまでもないので、相手に敬意をはらって、裁判所の判断の前に撤回しろという趣旨であえて異議としないこともある。この場合、相手の対応次第によっては改めて正式に異議を申し立てる場合もある。
ちなみに、異議の出し方は難しいものがある。基本的にどうでもいい場合にはあまり異議を出さないので、異議が出てくれば「ここが攻めどこなのか?」と相手に気づかせる場合がある。他方、民事であるが、適法・不適法やたらめったら異議を出して相手の尋問を妨害しようとするダーティな弁護士先生も散見する。
異議は下準備が大切。これはWinny弁護団主任の一言である。
というわけで、改正刑事訴訟法・刑事訴訟規則施行日ゆえのトピックである。



