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2006年5月4日

2006/05/04

法曹の資質について

落合先生のブログを拝見してこのような記事を見つけた。

改造オートバイの集団に取り囲まれた際、車を発進させて相手を負傷させたとして、1審で罰金20万円の判決を受けた甲府市に住む会社員の男性被告(42)の差し戻し審判決が2日、甲府地裁であり、正当防衛を認め、無罪を言い渡したそうである。

事案は、山梨県中道町(現・甲府市)の国道で妻子を乗せて乗用車を運転中、約20台のオートバイの集団にあおられ、先に行くよう促したところ、ドアミラーをけられるなどした。オートバイは停車した車を取り囲み、うち1人の30歳代の男性が運転席の横に回り込み、首をつかむなどしたため、男性被告は車を発進させ、車体にしがみついた男性を振り落とすなどして重傷を負わせたというものである。

この事件を見て、助細動機以来の憤りを覚えた。

あくまでも報道で真実はわからないが、もし仮に記事の事実が本当であれば、私はこの事件で男性に罰金を科そうとした検察官、20万円判決を下した差し戻し前の原審裁判官に対しては、同じ法曹として恥ずかしく思う。

たとえば、速度を緩めれば、わざわざ、車にしがみついてまで車を止めようとした人がいる集団が何もしないで帰るとでもいうのであろうか?そうしたら、愛する妻子はどうなるのであろうか?
検察官や裁判官は、自分が同じ立場であったらどうするか考えて欲しいところである。「ケガをしない程度の速度に減速して、安全に手を離してもらいました。」とでも言うのだろうか。

この事件、幸いにも無罪判決となったが、男性が、もし、無罪を争うことをせずに、罰金刑を甘受していたとしたら、男性は犯罪者となっていたのである。刑法が、刑を科するということは、法が、刑罰をもって強制するということである。そうやって社会を良くするのが刑法の目的だとすると、男性を犯罪者とすることで社会の何かが良くなるとでも思ったのであろうか?今回の処理には、せいぜい20万円だから有罪にしても問題ないだろうという判断と、無罪とするといろいろと面倒だという気持ちあったように思えてならない。

弁護士は、狭い世界で活動しているので社会常識に乏しい。しかし、そのような我々から見ても、検察官、さらに裁判所の社会常識は目を覆いたくなるものがある。「象牙の塔」と言われないだけの努力を法曹はしているのであろうか?

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