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2006年6月10日

2006/06/10

ダスキン大肉まん訴訟控訴審判決

前の記事で書いた判決であるが、事実が分かった後も公表しなかった取締役に対する責任を追及した訴訟の控訴審が今日あった。私も弁護団の一員として参加している。

原審では、取締役の一人以外の請求を棄却したが、高裁では全員に2億~5億の範囲で連帯責任を認める判決が下された。逆転勝訴である。

この事件、TBHQの混入が為された大肉まんの販売をしたことについて、ダスキンの取締役が公表しなかったことで多大な損害を招いたという株主の主張に対して、取締役側は、自ら積極的に公開しないとしたのであり、これは「経営判断」と弁解している事件である。

高裁の判断は明快である。

『「自ら積極的には公表しない」ということは「消極的に隠ぺいする」方針と言い換えることも出来るのである。』
『現に行われてしまった重大な違法行為によってダスキンが受ける企業としての信頼喪失の損害を最小限に止める方策を積極的に検討することが、このとき経営者に求められていたことは明らかである。ところが…「自らは積極的には公表しない」などという曖昧で成り行き任せの方針を、手続き的にも曖昧なままに黙示的に承認したのである。それは、到底、「経営判断」というに値しない』
と断じている。ちょっと、胸がスッとした。

実は、この判決への私の貢献度は高くはない。この判決は、多くの弁護士の努力の賜である。

今後のコンプライアンスに一石を投じる判決であると思う。

追記
町村先生のブログと落合先生のブログで紹介されていたのを発見。

アサヒコムの記事


ヨミウリオンライン

毎日MSN

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とりあえず

先日は、修習生の交互尋問だった。

交互尋問というのは、修習生が民事訴訟の模擬証人尋問をするものである。
いま、大阪は4班体制で、弁護、検察、民事裁判、刑事裁判の実務を1年間で体験するので、1年間で交互尋問が4回ある。

私は、またしてもインチキ司法書士役として登場して、修習生をいじめていた。
しかし、実務修習も終わりに近づいて、経験を積んだのだろう。尋問には、実務修習の成長の跡を感じさせるものがあった。「士別三日即更刮目相待」という言葉が思い浮かんだ。
修習生も、このブログを知っていたようで、何を言われるかと戦々恐々としているそうである。
ぼろくそに言われなくて、ホット胸を撫でおろしているかも知れない。

ところで、たいてい尋問の最後には「私からは以上です」とか言って自分の尋問が終わったことを述べるのである。交互尋問では、なぜか、修習生の一人が「とりあえず、以上です」と言って尋問を終わったのである。思わず、「後から追加で尋問するなら今尋問しろ」とか、それは「とりあえず、生!」でしょとか思って笑ってしまった。

修習制度は、大きな転換期を迎えているが、法曹が法曹であるのは、事案を解決する能力ゆえである。教室事例だけを学んで、事件を見たこともない弁護士が増えるだけの制度となれば悲劇である。そうならないことを願っている。

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