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2006/06/15

新司法試験

私は、ロースクールが開設されるまで、某大学院の司法試験論文対策の非常勤講師を3年ほどしていた。

最初の1年は、かなりのレベルの質問があった。しかし、全体的には問題が難しかったかなという意識であった。
その反省をふまえて次の年は問題のレベルを下げた。しかし、学生のレベルはそれ以上に下がっていた。その翌年は、更に問題のレベルを下げた。しかし、さらに学生のレベルはもっと低下していた。

こういうと、受験生は不満かもしれないが、合格者の増加の影響だと感じたのだから仕方ない。ただ、何となくではなく、問題文の特殊性を自分の頭で考えようとする姿勢を持っている人物は数は少ないが存在する。そういう人は、実力はともかくなぜかその年に合格することが多い。私自身、このことをもっと早く分かっておけば、無駄に長い受験生活が無かったかと、ちょっと残念に思うこともある。

で、話は変わるが、ロースクール1期生の司法試験の問題が公開されている。

見て驚いた。こんな難しい問題できるわけねぇ。私が1年目に出題した問題より難しいかもしれない。受験生不在の新制度という印象を強く持った。

司法制度改革とは、究極的には、国民がどの様な人に弁護され、訴えられ、そして裁かれたいかという問題である。司法試験がロースクールの維持だけの制度になって、一般の人に対するリーガルサービスの質が低下することのないように願っている。

個人的には、アメリカのように弁護士が嫌われ者の代表になる世の中は勘弁である。

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