とりあえず
先日は、修習生の交互尋問だった。
交互尋問というのは、修習生が民事訴訟の模擬証人尋問をするものである。
いま、大阪は4班体制で、弁護、検察、民事裁判、刑事裁判の実務を1年間で体験するので、1年間で交互尋問が4回ある。
私は、またしてもインチキ司法書士役として登場して、修習生をいじめていた。
しかし、実務修習も終わりに近づいて、経験を積んだのだろう。尋問には、実務修習の成長の跡を感じさせるものがあった。「士別三日即更刮目相待」という言葉が思い浮かんだ。
修習生も、このブログを知っていたようで、何を言われるかと戦々恐々としているそうである。
ぼろくそに言われなくて、ホット胸を撫でおろしているかも知れない。
ところで、たいてい尋問の最後には「私からは以上です」とか言って自分の尋問が終わったことを述べるのである。交互尋問では、なぜか、修習生の一人が「とりあえず、以上です」と言って尋問を終わったのである。思わず、「後から追加で尋問するなら今尋問しろ」とか、それは「とりあえず、生!」でしょとか思って笑ってしまった。
修習制度は、大きな転換期を迎えているが、法曹が法曹であるのは、事案を解決する能力ゆえである。教室事例だけを学んで、事件を見たこともない弁護士が増えるだけの制度となれば悲劇である。そうならないことを願っている。
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