北海道警antinny事件最高裁決定
北海道警Antinny事件で最高裁が上告を棄却したとの報道がなされている。
この事件、巡査が私物パソコンを公務でも使用して、捜査情報が入ったパソコンを自宅に持ち帰りって、ウイルス感染したファイルを開いて情報漏洩したというものである。
原審では、原告の請求が一部認められたが、高裁では、私物のパソコンに捜査情報を保存するのも、家に持って帰ってインターネットに接続するのも職務とは関係ない行為である、また、当時Antinnyを予見できなかったということで、逆転敗訴判決となった。
私は、捜査情報が保存されたパソコンを家に持ち帰ってインターネットに接続するのが職務と関係ないというのは常識的に考えて頷けないし、当時の情勢からAntinnyが予見できないということもどうかと考えている。暴露系ウイルスはアウトルックエクスプレスの世界では古くからあったのである。常に新手のウイルスが出てくるからそれに対してできるだけの事をするのがセキュリティではないのか?私物と公物を混同して、捜査情報に暗号化もしていないのはそれ自体問題ではないのか?
ということで、私は高裁判決に対して非常に否定的な意見を持っている。
ただ、今回は最高裁の決定である。具体的な話は最高裁の決定を見てからにしたい。
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