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2006年12月31日

2006/12/31

著作権法改正

来年は、著作権法の罰則が強化される。

○ 著作権侵害等に係る罰則の強化
<個人罰則>
・ 懲役刑: 5年以下から10年以下 1億5,000万円以下から3億円以下
・ 罰金刑: 500万円以下から1,000万円以下

10年以下の懲役の参考に特許法と刑法犯をいろいろあげておく。
法定刑で比べると、著作権法違反の刑の上限は、強制わいせつや建造物以外の放火と同様である。

また、特許侵害よりも法定刑が重いのである。特許というのは比較的保護される範囲がきっちり決まっており、手厚い保護を受けるのは分かる。しかし、著作権は、特許や商標や意匠で設けられている登録制度すらない。許諾をとろうにも誰が権利者かすら分からないような権利である。しかし、著作権の保護期間は長く、刑事罰は非常に厳しい。何をもって著作物とするかすらはっきりしないにもかかわらず。

さらに、厳罰化は、正犯を処罰することはともかく、幇助犯の上限まであがるのである。しかも、著作権法では極めて簡単に幇助が成立しかねないような状況になっている(それは、おまえのせいだろうが!というつっこみはとりあえずおいておいてほしい)。
幇助は必要減軽なので5年以下の懲役となる。これでは、横領とや背任と変わらない。傷害の場合は、現場助勢という規定があり、正犯を助けたような場合でも非常に軽い処罰となっているが、著作権では傷害で現場助成となるような行為はもちろん幇助になるだろうし、傷害では現場助勢にすら該当しない場合でも幇助とされることになりかねない。

これは、著作権制度としてバランスのとれているといえるのであろうか?すくなくとも幇助の無限定な解釈を止めるような立法をすべきではないか?

著作権法というのは、権利の保護と同時に、どうやって利用して文化の発展へとつなげるかを考えなくてはならない。しかし、実際の立法は、著作権=既得権益の保護という観点が多くを占めている。

著作物とは芸術であるならば、芸術はそれ自体が公開を求めているのではないだろうか?著作物は、公開され、評価されるなかで命を得、新たな創造を生み出していくのではないか?。だから、人に伝えられるのは著作物の本質なのではないか?そういう本質を認めたうえで、創作者に利益が生み出される制度が必要とされているのではないだろうか?と私は考えるようになっている。

以下参考

(建造物等以外放火)
第110条 放火して、前2条に規定する物以外の物を焼損し、よって公共の危険を生じさせた者は、1年以上10年以下の懲役に処する。

(強制わいせつ)
第176条 13歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

(傷害)第204条 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
(現場助勢)第206条 前2条の犯罪が行われるに当たり、現場において勢いを助けた者は、自ら人を傷害しなくても、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する。

(営利目的等略取及び誘拐)
第225条 営利、わいせつ、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、1年以上10年以下の懲役に処する。

(窃盗)
第235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

(背任)
第247条 他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

特許法
(侵害の罪)
第百九十六条  特許権又は専用実施権を侵害した者は、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。

(横領)
第252条 自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処する。

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