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2007/02/19

まねきTV

フジテレビジョンなど民放キー局5社とNHKは、「まねきTV」の名称でインターネットによるテレビ番組の転送事業を手がける永野商店(東京・文京、永野周平社長)を相手取り、サービス停止を求める民事訴訟を3月にも東京地裁に起こす方針を固めた。

らしい。

この件に関して、小倉先生が意見を出されているが、表現はともかく、この訴訟が無粋な訴訟であるという認識については、私と小倉先生のご意見は(めずらしく?)一致しているようである。

著作権法というのは、法律で創作者に一定の範囲のインセンティブを与えて、他方で利用も明記して文化の発展を目指す法律である。著作権法では、どうやって利用するかということが、どうやって保護するかと同等、いや、それ以上に大切なのである。芸術は、公開され、賞賛されることで命を得るからである。

それにも関わらず、一般の人は、コンテンツ業界の権益保護を追求するための法律だと思っているのではないだろうか。

最近になって、「著作権を過剰に保護する=技術的開発に困難を要求する。」というのはようやく認識されてきた。しかし、

「著作権を過剰に保護する=消費者に犠牲を強いる。」ということは、あまり注目されていない。フランスではCCCDに対して消費者運動が起こったように、この手の問題は消費者問題でもある。ただ、誰もこの分野に関して意見を言っていないのである。

日本であらゆる訴訟が起こった後、残ったのが消費者が一人もいない荒野というのだけはならないように願っている。

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