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2007/02/17

winnyシンポが終わったです。

今は、開放感たっぷりである。

Winnyシンポの準備は大変であった。

元々なんらかのコンセンサスがあればいいと思っていたのであるが、そんなものは無理だとすぐに分かった。各会はベースが違うし、その中でもいろいろ意見がある。

ただ、法律が世界を動かしているのではないが、技術だけで世界が出来ているわけでもないことがお互い分かってもらえれば嬉しいのであるがどうであろうか。

そして、今日再確認したことがある。P2Pの問題にはFACEtoFACEが一番ということである。金子氏の人柄が伝われば幸いである。

追記

Winnyシンポでも言った、私の意見を書いておこう。

①Winny事件地裁判決はとても影響があったようである。あまりに影響がありすぎて、 何とか金子氏だけが有罪になるかのような理論を作りたい人がいっぱいである。いろんな人がmy理論を述べている感じであるが、判決を正しく理解した上での意見はとても少ない。

Winnyには匿名性があるから幇助なんだとか、金子氏は著作権侵害が著作権侵害蔓延目的でWinnyを作ったから幇助なんだとか。しかし、裁判所はそんなことを言っていない。判決をちゃんと理解して発言をして欲しい。

②情報漏洩の問題と著作権法の問題は別の問題なので、ごっちゃにしないでほしい。

③ ファイル共有の問題は、匿名性というよりも、みんなで渡れば怖くないというリテラシーが問題なのではないか。最近では、ファイル共有も面倒だとアップローダーを使っている人がとても多い。

④Winnyを使う=著作権侵害のイメージがあるが、実際の利用状況はそんなに著作権侵害の割合は多くない。流通しているファイルの半数近くは著作権侵害と言い難いということを言っている人もいる。

そして、判決理解の参考となる文書を引用しておく。

Winny事件については、法曹実務家・素人含めて評論家がいっぱいのようである。ただ、そのほとんどは、独自の判例評釈と言わざるを得ない。

誰であれ、正しく理解する気も無い者が「判決は…という理由で幇助を認めた」というのは止めて欲しいところである。

以下は、判決のうちの被告人の行為が罪なる理由を述べている部分である。

「本件では、インターネット上においてWinny等のファイル共有ソフトを利用してやりとりがなされるファイルのうちかなりの部分が著作権の対象となるもので、Winnyを含むファイル共有ソフトが著作権を侵害する態様で広く利用されており、Winnyが社会においても著作権侵害をしても安全なソフトとして取りざたされ、効率も良く便利な機能が備わっていたこともあって広く利用されていたという現実の利用状況の下、被告人は、そのようなファイル共有ソフト、とりわけWinnyの現実の利用状況等を認識し、新しいビジネスモデルが生まれることも期待して、Winnyが上記のような態様で利用されることを認容しながら、Winny2の各バージョンをホームページ上に公開し、不特定多数の者が入手できるようにしたことが認められ…」

そして、判決は以下の事実も認定している。

① Winnyの技術について、センターサーバーを必要としないP2P技術の一つとしてさまざまな分野に応用可能で有意義なものであり、技術それ自体は価値中立的である。

② Winnyには無視フィルタ機構が備わっており、ダウンロード側で設定することで一定のファイルを除外することができる。

③ 被告人はWinnyを公開するにあたり「これらのソフトにより違法なファイルのやりとりをしないようお願いします」などの注意書き付記していた。

④ 被告人にはWinnyによって著作権侵害がインターネット上にまん延することを積極的に企図していたとまでは認められない。

⑤ 被告人には、Winnyの開発・公開は技術的検証が目的であり、Winny2についても大規模BBSの実現を目指した意図もある。

⑥ 被告人には、Winnyの提起用により新しいビジネスモデルが生まれることも期待していた。

本件は、これで罪になるかが問題なのである。

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