英EMIがDRMフリー楽曲の提供を開始
1月にEMIは1つの実験を行なったという。同じ楽曲に対してDRMフリーで高音質の楽曲にはプレミアム価格を付け、標準音質でDRMありの楽曲とどちらがより多く売れるかを比較した。その結果、消費者は10対1の割合でDRMフリーを選んだという。この実験はEMIがこの決断を下す1つの大きな節目となった。
すべてのコンテンツに当てはまるわけではないが、売り上げの最大化という観点から実際に実験するということは無かったのではないか。違法コピーが増える=売り上げが落ちるという単純な話ではないのである。
またしても、世界と日本の差を痛感させられた。
追記
日本では、この流れに反して、ネットでのダウンロードを私的複製から除外するような検討が進んでいる。
私的には、私的複製から除外すること自体は反対ではないが、まず、フェアユースを規定するべきで、ネットでのダウンロードを私的複製から除外するのはその後の話と思っている。
著作権は、文化の発展のために、どこまで、制作者が利用者に犠牲を強いてよいかという権利問題なのである。やり過ぎは利用者を失わせる。
ちなみに、それに関連している記事も見たが、ネットでダウンロードされているからといって、正規品の売り上げが減少するという単純なものではないし、クリエイターの創造が無くなるという単純なものでもない。利用者不在の話にはうんざりである。もし、このような考えが法改正の中心であるとすれば、それは問題である。
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