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2007/09/01

チャップリンの映画に思うこと

チャップリンの映画についてDVD販売をしていた業者に対する差止めが認められたようである。

記事

映画著作権と著作者と保護期間旧著作権法もからんでとても難しいことは、前に無駄な考察をしたのでそっちを見て欲しい。

判決を一見した範囲(本当にちゃんと検討していないので突っ込みは優しくお願いしたい)では、チャーリー・チャップリンというのは、本名はチャールズ・スペンサー・チャップリン・ジュニアCharles Spencer Chaplin, Jr.)なのだが、変名著作物かどうかも問題になるかも知れない。実名ってなんだろう?その点は裁判所は何も言わずに、実名著作物としているのが気になった。

この事件、被告は訴訟代理人を立てていないようなので、高裁では弁護士を雇って真剣に争っていただきたいものである。

ただ、個人的に問題視しているのは、コピーライトが極めてビジネス的な権利として使われているのに、死後~年という、とてもださい保護期間のカウント方法をしている点である。登録時・公表時のように定型的な保護期間の方が、保護期間が明確で良いと思う。

しかし保護期間については、いまだに、「孫の代まで…」みたいな議論が盛んである。

しかし、著作者がお金を稼いで蓄財をしてそれで孫の代まで生活できるようにという話と、著作者が放蕩生活をして子孫になにも残さなくても孫まで遊んで暮らせるようにするという話は別のはずである。著作権法は、放蕩生活をしてきた著作権者の孫の生活保障をしなくては、権利保護に薄いとでもいうのであろうか?

著作権法は、最終的に芸術を文化に還元することを予定されてきた。しかし、ミッキーマウスの出現以降、文化への還元は途絶えてしまったのではないだろうか?

ちなみにミッキーマウスであるが

、「蒸気船ウィリー」の公開日である1928年11月18日がカウントの始めとされている。これについてはウォルトディズニーの死亡時ではなく、公開日を基準としているが、これがいかなる解釈によるものかは私は知らないので、アメリカ著作権法に詳しい人がいたらご教授願いたい。

~参考 アメリカ著作権法

第302条 著作権の存続期間:1978年1月1日以後に創作された著作物

(a) 総則


1978年1月1日以後に創作された著作物に対する著作権は、創作の時から存続し、以下の節に定める場合を除き、著作者の生存期間および著作者の死後70年間からなる期間中存続する。

(b) 共同著作物

職務上創作する者ではない二人以上の著作者が作成した共同著作物の場合、著作権は、最後に生存する著作者の生存期間およびかかる最終生存著作者の死後70年間からなる期間中存続する。

(c) 無名著作物、変名著作物および職務著作物

無名著作物、変名著作物または職務著作物の場合、著作権は、最初の発行の年から95年間、または創作の年から120年間のうち、先に満了する期間中存続する。かかる期間の満了前に無名著作物または変名著作物の著作者の一人以上が第408条(a)または(d)に基づき当該著作物についてなされた登録の記録または本節に定める記録から判明した場合、当該著作物に対する著作権は、判明した著作者の生存期間に基づき第(a)節または第(b)節に定める期間中存続する。無名著作物または変名著作物に対する著作権につき利害を有する者は、当該著作物の著作者を特定する文書を、著作権局がかかる目的で管理する記録にいつでも登記することができる。かかる文書はまた、提出者、その利害の性質、登記される情報の出所および利害にかかる特定の著作物を明記し、かつ、その書式および内容において著作権局長が規則により定める要件に従わなければならない。

第304条 著作権の存続期間:既存の著作権

(a) 1978年1月1日に最初の保護期間内にある著作権

(1) (A) 最初の保護期間が1978年1月1日に存続している著作権は、最初に確保された日から28年間存続する。
(B) 著作権の保有者は-

(i) 死後に発行された著作物もしくは定期刊行物、百科事典その他の集合著作物で、その所有者が著作権を確保した場合、または

(ii) 法人(個人の著作者からの譲受人もしくは被許諾者を除く)もしくは職務著作物を創作させた使用者が著作権を確保した著作物の場合には、当該著作物に対する著作権について67年間の更新延長を受けることができる。
(C) 著作権のあるその他の著作物(定期刊行物または百科事典その他の集合著作物に対する個人著作者の寄与物を含む)の場合-

(i) 著作者が生存しているときは、当該著作物の著作者、

(ii) 著作者が生存していないときは、当該著作者の寡婦、寡夫もしくは子、

(iii) 著作者、その寡婦、寡夫もしくは子が生存していないときは、当該著作者の遺言執行人、または

(iv) 著作者の遺言がないときは、著作者の親族は、当該著作物に対する著作権について67年間の更新延長を受けることができる。
(2) (A) 本節第(1)項(B)に定める著作物に対する著作権の最初の保護期間が満了したときは、著作権は、67年間の更新延長された期間中存続し-

(i) 著作権の最初の保護期間満了前1年以内に、著作権局に対してかかる延長期間の請求を登録する申請がなされ、かつ、請求が登録された場合、当該著作権は、延長期間の開始時に、申請が行われた時点で著作権の更新を請求することができる著作権の保有者に帰属する。

(ii) 上記の申請がなされず、またはかかる申請に基づく請求が登録されなかった場合、当該著作権は、延長期間の開始時に、最初の保護期間の最終日において著作権の保有者であった個人または団体に帰属する。
(B) 本節第(1)項(C)に定める著作物に対する著作権の最初の保護期間が満了したときは、著作権は、67年間の更新延長された期間中存続し-

(i) 著作権の最初の存続期間満了前1年以内に、著作権局に対してかかる延長期間の請求を登録する申請がなされ、かつ、請求が登録された場合、当該著作権は、延長期間の開始時に、申請が行われた時点で第(1)項(C)に基づき著作権の更新を請求することができる著作権の保有者に帰属する。

(ii) 上記の申請がなされず、またはかかる申請に基づく請求が登録されなかった場合、当該著作権は、延長期間の開始時に、最初の保護期間の最終日において第(1)項(C)に基づき著作権の更新延長を受けることができる者に帰属する。
(3) (A) 著作権の更新延長期間の請求を登録する申請は、以下のとおり著作権局に対して行うことができる。

(i) 第(1)項(B)または(C)に基づき67年間の延長期間を受けることができる者は、当該著作権の最初の保護期間の満了前1年以内に申請を行うことができる

(ii) 第(2)項(A)もしくは(B)に基づき更新延長期間が帰属する者またはその承継人は、更新延長期間中いつでも申請を行うことができる。
(B) 上記の申請は、著作物に対する著作権を67年間更新延長するための条件ではない。
(4) (A) 著作物に対する著作権の更新延長期間の請求を登録する申請が、当該著作物に対する著作権の最初の保護期間の満了前1年以内に行われない場合、または、かかる申請に基づく請求が登録されない場合、著作権の最初の保護期間満了前に行われた移転または使用許諾の権原に基づき作成された二次的著作物は、当該許諾の条件に基づき著作権を侵害することなく著作権の更新延長期間中使用することができる。ただし、かかる使用は、かかる更新延長期間中に当該許諾の及ぶ著作権のある著作物に基づいて他の二次的著作物を作成することには及ばない。
(B) 著作物に対する著作権の更新延長期間の請求を登録する申請がその満了前1年以内に行われ、かつ、請求が登録された場合、登録の証明書は、更新延長期間中の著作権の効力および証明書に記載された事実について一応の証拠となる。かかる1年間の後に作成される著作権の更新延長期間の登録の証明書に与えられるべき証拠能力は、裁判所の裁量に属するものとする。
(b) ソニー・ボノ著作権保護期間延長法の発効日2現在更新期間にある著作権
ソニー・ボノ著作権保護期間延長法が発効する時点で更新期間にある著作権は、最初に確保された日から95年間の保護期間を有する。

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