司法試験合格者抑制 大阪弁護士会、真っ二つ 政府への意見表明
私は東京で出席できないが、本日がその総会である。
すでに日弁連では、提言があって、こんなバトルになっていたり、さらに、どう考えてもそのためとしか思えない新法務大臣の就任があったりして、早速意見を言っていたりして、かなり大変な状況になっている。
私としては、2000人での失業者弁護士の状況を見ているので、3000人はあり得ないことは十分解っている。
よく言われるが、弁護士が増えると自由競争によって料金が引き下げられて一般の人が依頼しやすくなるや、人数が増えると過疎地域にも弁護士が増えるや、合格者が増えると社会的意義のある仕事をする弁護士が増えて社会が良くなるは、いずれも誤解である。
逐次反論しても仕方がないが、アメリカは,大量合格と自由競争の結果、今日食う金が無い弁護士も多数いる。しかし、彼らの弁護士費用は場合によっては日本より高額であるし、彼らが公益活動をするなど聞いたことがない。
日本でも、ここ数年で弁護士が増えているのに、新規弁護士が委員会などの公益活動に参加することが目に見えて減っている。事務所の仕事に忙殺されているからである。
さらに言うと、企業は大学を卒業してロースクールで2年過ごして、受験で3年不合格になった社会人経験のない20代後半の大量の失業者を雇用するほどお人好しとも思えない。
ただ、私が言いたいのはそう言うことではない。日弁連が、マスコミや一般の人の誤解に対してどれだけ説明しているかである。
全体像を見ない、自分たちの希望のつまみ食いのような司法制度改革の理念に対して、自ら大量増員を述べた愚かな弁護士。今回の日弁連の提言でも早速官房長官に揚げ足とられている。
では、提言の前に日弁連は何をしてきたのであろうか?誤解を解く努力をしたのか?
今日の決議がどうなるかは解らないが、対案もろくにない司法制度改革論や弁護士業務改革論を主張するだけの場にはならないで欲しいところである。
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コメント
はじめてコメントいたします。
この件に関しましては、私の後輩が昨年試験に合格し、現在も就活中であることを考えますと、ひとごとではありません。
一般企業で仕事をしてきた人間にとって、なぜ今になってその議論なの?と思えてならないですし、将来を見据える子供たちにどう説明するんだろうか・・・・・との疑問が頭から離れません。
壇さんはその「業界」におられるわけですから、歯痒さもきっと人一倍なんですね。
投稿: ごっきぃ | 2008/08/09 06:38
市場での競争が機能するには、消費者が商品を比較可能なだけの頻度で、商品にアクセスできないとどうにもならんわけで。
一般人(企業の法務担当とかじゃなくて、普通の私人の生活をしている人という意味ね)の弁護士に対する需要が、そのへんの町医者か歯医者並の頻度であれば、あそこの事務所は良かった、あっちは良くなかった、って情報交換ができて、それなりに競争が成立するはずである。現実には、一般人弁護士に仕事を頼む頻度は、一生に一度あるかどうかだろう。普通に暮らしていれば、離婚や相続で揉めた時くらいだろう。これでは、マーケットも成立しないし、いくら弁護士が増えたって、誰が自分にとって良い先生か判断する情報も、一般人には持ちようがない。
であるなら、品質が維持されていて、いつでもどの先生に頼んでもあるレベルのサービスはしてもらえるということが保証されている方が、利用者としては有り難い。
投稿: apj | 2008/08/24 20:33