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2008年9月30日

2008/09/30

さらに横浜市墓地条例とGSV

横浜市墓地及び霊堂に関する条例

第18条 墓地又は霊堂において、次に掲げる行為をしようとする者は、規則で定めるところにより、市長の許可を受けなければならない。

(略)
(2) 業として広告写真又は映画の撮影その他これらに類する行為をすること。
(略)

ここで、「業として」というのは、一般的には、営利の目的で同種の行為を計画的に反復継続することとされている(古い本だが、商法Ⅰ有斐閣Sシリーズ)単に営利目的ではないのである。

さらに、この条文を素直に見れば、墓地または霊堂において、これらの行為を業として行うことを規制しているとも読める。仮にこの解釈をすると、墓地または霊堂で計画的に反復継続しなくてはならないことになり、ほとんど該当するものが無くなる。GSVは墓地内で反復継続しているかが問題になりかねない。

ただ、一般的にはそのような解釈はしないと思われる。「業として」は行為全体から判断すれば良く、反復継続行為の一環としての行為であれば、墓地で行うのは反復継続していなくてもかまわないという解釈になる可能性が高いと思う。

次に、広告写真であるが、これは、一般的な定義はない。

Wikipedeiaより

広告写真(こうこくしゃしん)とは、商品サービス企業等の宣伝広告の目的で撮影された写真作品のこと。

GSVが、広告の目的で撮影されているかといえば、これは私にはわからない。GSVは一般的な広告写真とは違うと思うのであるが、サービスの宣伝の目的というのはGSVそれ自身を指すのか、GSVはgoogleの宣伝・広告目的なのか、どのように目的を判断するのか、そもそもこの定義が適切なのか。等々の点から私には断言しかねる。仮に広告写真に営利目的の写真が広く含まれるとすれば、「広告」と記載したことがあまり意味のないものとなる。

次に、映画の撮影であるが、映画とはなんぞやというのは結構難しい。著作権法ではストーリー、動画、音楽の有無が重視される傾向があるが、その定義がここで当てはまるとは限らない。

そして、これらに類する行為であるが、これについては、判断基準もよくわからない。あまり広くとらえると罰則条項として有効性を維持できるか危ういかもしれない。

そして、横浜市の回答であるが、

日野公園墓地内には公道と施設内通路が通っておりますが、公道部分の公開につきましては特に問題ないと考えます。ただし、墓地区画の墓碑に刻んである家名が読み取れるものについては、個人情報として適切に対処するよう申し入れを行いました。

施設内通路につきましては、御指摘のとおり条例により撮影の際には事前の許可が必要となります。今回のケースは、事前に許可を得ずに撮影を行ったため、公開している画像の削除を申し入れております。

個人情報保護法

(定義)
第二条 この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。

この回答は結構読み込みが難しい。

公道部分について墓碑の名前を個人情報としているが、個人情報保護法の定義を見る限りは、生存しなくてはいけない。墓碑に刻まれているのは、多くの場合亡くなられた方の名前と思われる。

もっとも、死亡した個人の情報であっても、場合によっては遺族の個人情報と見られる場合があるとされている。ただ、いかなる場合に遺族の個人情報となるかは結構難しい。あんまり広く認めると場合によっては戦国武将には結構末裔がご存命だったりしてややこしいことになる。いずれにせよ、遺族がいない場合は個人情報とされることはまずないであろう。

施設内通路についての回答であるが、「業として」については上記のように1回でOKという解釈を採ったのであろうか。広告写真や映画やそれに類する行為についてはどのような解釈をとったのであろうか。邪心なく一度お尋ねして見たいところである。

というわけで、よく見ると結構難しい問題である。

私は、Googleの代理人でもないし、法律に反してなければ何をしてもいいとも思っていないし、対応は誠実にするべきと思っている。ただ、既存の法律を語るのであれば正しく理解したうえですることが望ましい。

追記

予想どうり、最近、技術者の知ったかぶり法律論の記事を見ることが多い。立法論も解釈論も現在の法律の謙虚な理解が前提である。俺様法律論はいただけない。

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