新司法試験合格
合格者が、合格者と呼ばれるのは今だけである。今まで我慢していたことをいっぱいしていい。それから、司法修習の準備をするとともに、今もなお努力している受験生に何かをして欲しい。
試験である以上勝ち負けがある。大切なのは勝って驕らないことである。これから、弁護士となれば、多くの敗者のために闘わなくてはならないのだから。
さて、暗い話をしなくてはならない。
今年は三振の受験生がでたようである。しかし驚くことではない、三振は新司法試験制度が予定していることなのである。
しかも、今後この受験者数と合格者数で推移すると、2010年に初回受験者の30パーセント弱、1000人以上が3年後に優秀なニートになることが予想される。
私も、つらく長い受験時代を過ごしてきた。司法試験は受かれば先生、落ちれば虫けらである。社会や家族から受ける扱いや、自分自身の絶望感はおそらくなってみないと解らないと思う。
大学の就職を蹴って、2~3年ロースクールで努力して、3年間受験して、就職もなにもないというのではあまりに悲しいことである。
ローが優秀なニートを排出することはあまりに罪である。
ただ、合格者を増やせば良いというものではない、一つは質である。もう一つは合格してからも虫けらになるとアメリカの弁護士制度のように、金の亡者が跋扈する世界になってしまうということである。
前者は既に目を覆う状況になっているようである。超上位合格者の合格答案なるものが出版されているが、かつてであれば、「もうちょっとで合格だね」と言われるレベルであった。大切なところでちゃんと理論が言えてないのである。
最近では新規ボケ弁にお目にかかることもある。彼らは、実務家になって食っていけるのだろうか?かなり心配である。
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