手品の種明かし訴訟
前に取り上げた事件であるが、判決が出たようである。
両テレビ局は平成18年11月、硬貨を加工したとして手品店経営者らが貨幣損傷等取締法違反容疑で逮捕されたことを伝えた報道番組で、硬貨を使った手品の種を紹介。原告側は、種が明かされると手品の価値がなくなるとして、ギミックコイン(手品用に加工したコイン)の購入価格の約7割を賠償請求した。
佐久間裁判長は、番組の目的が事件報道だったと指摘し、「どのような行為が貨幣損傷にあたるかを説明するため、種を紹介することはやむを得ない」と報道は適法と判断。「ギミックコインの価値も違法に低下させていない」とした。
また、原告側は手品師自体が悪のような印象を与えている」と名誉棄損による慰謝料の支払いも求めたが手品師一般を詐欺師扱いしたわけではない」などと退けた。
判決としてはごく当然である。
原告も本当に勝てると思って訴訟提起していないであろう。
種も仕掛けもあるエンターテイメントは手品やプロレスだけではないが、現行法ではそう言うものを保護することは難しい。
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