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2009年3月25日

2009/03/25

あいかわらず

小倉弁護士のブログから。

そうした中で音楽産業は、ユーザがなかなかお金を払わないという現実に苦しんでいます。面白い数字を紹介しましょう。米国のインターネット上は日々無数の音楽ファイルが流通していますが、その中で正規(=有料)ダウンロードの割合は、平均すると20曲中1曲だけです。米国の音楽配信サイトの一つであるLalaはユーザに対して、(1)1曲99セント払えば自分のパソコンにダウンロードできる、(2)1曲10セント払えばLalaのサーバからいつでもその曲を聴ける、(3)お金を払わなくても1回は曲を試聴できる、という3つの選択肢を用意していますが、この会社のサーバに蓄積された曲へのアクセス状況をみると、1000曲中99セント払ったのは72曲、10セント払ったのは108曲、無料での試聴が820曲です。

 そうです。違法ダウンロードが当たり前になる中で、ユーザはレコーディングされた音楽にはお金を払わない習慣を身につけてしまったのです。

繰り返すが、岸さん自体は見知っているし、個人を批判する気はない。

ただ、この記事における岸さんのある種の無邪気さは、あまりに明白に誤りであり、あまりに読者に不当な偏見を植え付ける可能性が高いので指摘するだけである。

岸さんは、ネットで視聴した者の購入へ結びついた割合が少ないことを理由に、ネットにおけるビジネスモデルの問題を指摘している。しかし、店舗の視聴コーナーで視聴した者がCDを購入した割合と比較検討しなければ意味がない数字である。私はネットで試聴した音楽を購入したことはあるが、CDショップで視聴したCDを購入したことはない。私に限って言えば、ネットの方が割が良い。

この段階で既に???であるが、岸さんは、これを違法ダウンロードが原因としている。しかし、私の配信会社の取締役としての経験から言うと、ネットの課金モデルの問題は、ネットにおける課金方法の不備である。ネットでクレジットカードを用いることには、消費者の不安感が強く、クレジットカードは誰でも持てるわけではない。他のネットマネーも利用にはいろいろな手間が掛かることが多い。なにも知らない人が気軽にネットで音楽購入とはなかなかいかないのである。ネットにおける課金には兌換紙幣から不換紙幣への移行程度のハードルがあるという感触である。

マスメディアが音楽業界から学ぶべきは、市場(ユーザ行動)の変化を受け入れ、過去のビジネスモデルに拘泥せず、やれることは何でも果敢にやるという姿勢だと思います。

マスメディアは広告料収入の著しい下落により、存亡の危機となっている。従来のビジネスモデルでは消費者の嗜好にあった情報の提供が困難となりつつある。パラダイムシフトが必要であろう。岸さんの発言は、音楽業界がやれることは何でも果敢にやっているかというと大いに疑問であるが、言わんとすることろは大いに是首出来る。それだけに、前置きの蛇足が、あまりに足が大きすぎるので残念である。

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