自殺生徒の母親に賠償命令
2005年に長野県立丸子実業高校(現・丸子修学館高校)1年の男子生徒(当時16歳)が自殺した問題を巡り、殺人容疑で告訴されるなどして精神的な苦痛を受けたとして、当時の男性校長が、男子生徒の母親と代理人の弁護士を相手取り、600万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が14日、長野地裁上田支部であった。
この事件は、良くある、いわゆる被害者(か、そのように思っている人)からの訴訟が空振りした結果である。被害者(か、そのように思っている人)からの訴訟であっても、何をしても良いというわけではない。本件の事実がいかなるものかは分からないが、もし、行きすぎであればサンクションはあってしかるべきである。
今回は、告訴代理人である弁護士に対しても損害賠償を認めている点に特徴がある。
良くも悪くも、アメリカ型の司法制度を目指して増員すれば、依頼者の言いなりになって、無茶なことをする弁護士が増えることは、避けて通れないところである。
個別の事件を離れて、まったくの一般論を言うと、この手の事件では、証拠との矛盾もそっちのけで、依頼者が思いこみの事実を前提に法的構成をすることを求めて来たり、聞きかじりの知識で訴訟進行について、あれこれと指図をすることがある。
しかも、それに従わないと「この先生は、私の言うことを聞いてくれない」とか言いだして、相応の結果を出しても報酬を踏み倒したり、ときには、何でもいうがままの他の弁護士に事件を依頼して、予想どおり惨敗という場合もありうる。
しかし、弁護士は、依頼者の言いなりで良いというのではない。言いなりであれば、弁護士は必要もない。
弁護士が弁護士であるには、相応の公平感と客観性が必要であると思う。
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