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2011年1月18日

2011/01/18

同志社大学ロースクール

14日は、同志社大学でWinny事件を語ってきた。

久々のWinnyは、忘れていることも多かった。

これから法曹を目指す彼らに伝えたかったのは、法解釈や判例評釈のような話ではない。

語りたかったのは、事件を通じて、ときには怒り、ときには焦り、ときには涙を流した弁護士としての生身の経験である。

この事件で、私よりも優秀な弁護をできた人はたくさんいたかもしれない。

しかし、彼のために人生のうち何年かを費やす覚悟があった人はいなかった。

弁護士は、自分があきらめたときに、事件が終わる。

その後ろには何もないのである。

その気概さが伝わったのならうれしい限りである。

おまけに、司法試験も、あきらめたときに、試験が終わる。

心ある法曹になってほしいと願っている。

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まねきTV事件 破棄差し戻し

記事

インターネット経由でテレビ番組を海外などに転送するサービスに対し、NHKと在京の民放5社が著作権侵害を理由に差し止めや損害賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(田原睦夫裁判長)は18日、サービスは「公衆への送信に当たり違法」との判断を示した。著作権侵害には当たらないとした一、二審判決を破棄し、損害額などを算定させるため、審理を知的財産高裁に差し戻した。

またしても、第三小法廷のKY判決なんだろうか・・・。

詳細は、判決を見て検討したい。

追記

判決文が早速公開されていた。

公衆の用に供されている電気通信回線に接続することにより,当該装置に入力される情報を受信者からの求めに応じ自動的に送信する機能を有する装置は,これがあらかじめ設定された単一の機器宛てに送信する機能しか有しない場合であっても,当該装置を用いて行われる送信が自動公衆送信であるといえるときは,自動公衆送信装置に当たるというべきである。

送信の主体である被上告人からみて,本件サービスの利用者は不特定の者として公衆に当たるから,ベースステーションを用いて行われる送信は自動公衆送信であり,したがって,ベースステーションは自動公衆送信装置に当たる。

というのが、理由のようである。

1対1の通信機能しかない機器でも、公衆の用に供されている電気通信回線に接続していて、リクエストに応じてデータを自動的に送信する機能を有する機器をもちいて、不特定者へサービスを提供していれば、それは自動公衆送信に該当するらしい。

また、契約で個人情報を把握して、管理していても、不特定人になるらしい。不特定人にならないような特別の関係が何なのか、全く不明である。

最高裁は、このように言うが、インターネットはどこかで公衆の用に供されている。また、リクエストに応じてデータを自動的に送信する機能は大抵の通信機器が当然備えている機能である。

これでは、ISPのルータやメールサーバまで、公衆送信権侵害になりかねない。もっといえば、リピータハブまでアウトになりかねない。これでは、インターネットは成り立ち得ない。

情報処理技術への無理解ぶりがヒシヒシと伝わってくる。

予想よりもはるかにKYであった。

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発信元偽り、出会い系メール大量送信…7人逮捕

記事

出会い系サイトを宣伝する迷惑メールを発信元を偽って大量に送信したとして、京都府警などは17日、出会い系サイト運営会社「UNIVERSAL FREAKS」(東京都豊島区)の社長岩田敏雄容疑者(36)ら7人を特定電子メール送信適正化法違反容疑で逮捕した。

いわゆる迷惑メール防止法は、送信者を偽って商用メールを送ることを禁止している。
迷惑メール防止法の違反の多くは、違反行為に対して、監督官庁からの措置命令がなされ、措置命令に違反した場合に処罰の対象となるが、監督官庁が監督懈怠な状況で、ろくに規制になっていないという問題が指摘されていた。
そこで、一部、直罰規定が設けられたのである。

第五条  送信者は、電子メールの送受信のために用いられる情報のうち送信者に関するものであって次に掲げるもの(以下「送信者情報」という。)を偽って特定電子メールの送信をしてはならない。
 当該電子メールの送信に用いた電子メールアドレス
 当該電子メールの送信に用いた電気通信設備を識別するための文字、番号、記号その他の符号

第三十四条  次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
 第五条の規定に違反した者

しかし、直罰規定が設けられても、ほとんど、処罰がなされていない状況である。
その間に、我が国の迷惑メールは、悪の温床になっている。

資料

これによれば、日本でISPが取り扱うメールの70%が迷惑メールで、その90%近くが(偽)出会系サイトである。

かなり平たく言えば、日本のメールの半分以上が、出会い系、もっと、強く言えば、出会い系を語る詐欺行為に利用されているのである。

同社は三つの出会い系サイトを運営しており、女性とやり取りするのに必要な「ポイント」の購入代金が同社の収入だった。メールを交わすとポイントが減っていく仕組みで、逮捕者の一部は「女性役を演じるサクラを使っていた」とも供述しており、府警は詐欺容疑での立件も視野に調べる。

この事件、本来的には、偽出会い系の問題であり、立件にこぎ着けて欲しい。偽出会い系は、場合によっては数年で数億円の利益があがっており、悪の営業活動としてはあまりに魅力的である。

総務省の審議会の議事録等を見ると、偽出会い系の問題を、海外決済代行業者の問題とか、通信コストの低減のみにすり替えてる有識者が多いが、端的に言うと愚かである。

本当の問題は、インターネットの向こうでは通信をしている相手が誰で何をしているのか分からないにも関わらず、犯罪行為の情報まで開示拒否する通信の秘密教団と、直罰規定すらほとんど使われないサンクションの少なさである。

それでも、総務省は「権限がない」と言い訳をし、警察庁は「情報がない」と言い訳をしている。

そして、メディアは、偽出会い系の問題をエロおやじがちょっと騙されたくらいに思いこんで、悲惨な現状を報道しない。

それが現状である

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