情報ネットワーク法学会2011終了
15日は、札幌は北海道大学で行われた情報ネットワーク法学会に出席した。
桃鉄的には、スープカレーとジンギスカンとラーメン屋さん、さらには、日本3大がっかり名所である時計台のある札幌である。
今回の学会は、私も「発信者情報開示請求訴訟における対抗言論の法理の要件事実的な問題について」というかなりマニアックな発表をしていたのである。
これは、要するに、法律の出来が悪くて、総務省の解釈も実務を理解していないものなので、実務的に混乱が生じていて、とても迷惑であるということを述べたところである。かなり早口で、ロジカルなことを述べたので、ついて来れなかった人もいるかもしれない。ビデオ公開されたら繰り返し見てみていただきたい。
こちらも、論文出稿時には、会場の質問に対する回答を示しておきたいと思われる。
それ以外にも、パネルディスカッションの「大震災とソーシャルメディア」は興味深かった。
東日本大震災において、支援を頑張っている生の声を聞けたこともそうであるが、それより重要なことは、緊急情報のバックアップをとったり、安否確認のための顔写真の公開を躊躇したり、ボランティアの登録情報を5000人超えないように捨てるなど、支援に頑張っている人たちが、個人情報保護法や著作権法の足かせのために、支援の手が遅れたり、逆に、法を無視せざるを得ないことがあったと言うことである。
これは、著作権法ではフェアユースの議論の問題だとおもうが、文化庁はいわゆる「日本版フェアユース」(どこが一般条項なのか不明である)の3類型に限定しようとしている。また、個人情報保護法も同様である。私は、現在の例外規定は限定列挙であるが、一般条項が必要だと思っている。
不謹慎ではあるが、これまで、その手のお方は、この手の議論に対して、「そんな非現実的なことを考える必要はない」と言っていたが、東日本大震災は、そのような考えが誤りである1つの証拠を示しただけでも無駄では無かったと思うところである。
法が、心ある人たちの活動を黒く染め上げないようにと願っている。
そして、北海道はとても美味しかった。その際の写真は別のところで公開しているが、1つだけ、今回の学会にもっとも味わい深かったものをアップしておく。
やはり、1番は開催校の町村先生の特選ホスピタリティである。
多くの方々の特選なご尽力にお礼申し上げます。
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