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風俗店としての許可を受けずに女性従業員に接客させたとして、警視庁生活安全特別捜査隊は、風営法違反(無許可営業)の疑いで、ガールズバー「PIPPI
六本木店」(東京都港区六本木)経営者、伊佐裕次(51)=世田谷区弦巻=と同「PIPPI新宿店」(新宿区歌舞伎町)経営者、加藤弘章(30)=新宿区
大久保=の両容疑者ら4人を逮捕した。
この記事を見て、風営法違反のガールズバーということに違和感を感じた。で、この違和感を理解してもらうためには、風営法の知識が必要である。しかし、意外に知られてないので、解説してみることにする。
いわゆる風営法は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」という法律であるが、風営法は、別に性風俗だけの法律ではない。ゲームセンター等まで含む広い法律なのである。
で、風営法上の風俗営業は、定義規定がある(性風俗営業は別途規定がある)。
第二条
この法律において「風俗営業」とは、次の各号のいずれかに該当する営業をいう。
一
キヤバレーその他設備を設けて客にダンスをさせ、かつ、客の接待をして客に飲食をさせる営業
二
待合、料理店、カフエーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業(前号に該当する営業を除く。)
三
ナイトクラブその他設備を設けて客にダンスをさせ、かつ、客に飲食をさせる営業(第一号に該当する営業を除く。)
四
ダンスホールその他設備を設けて客にダンスをさせる営業(第一号若しくは前号に該当する営業又は客にダンスを教授するための営業のうちダンスを教授する
者(政令で定めるダンスの教授に関する講習を受けその課程を修了した者その他ダンスを正規に教授する能力を有する者として政令で定める者に限る。)が客に
ダンスを教授する場合にのみ客にダンスをさせる営業を除く。)
五
喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、国家公安委員会規則で定めるところにより計つた客席における照度を十ルクス以下として営むもの(第一号から第三号までに掲げる営業として営むものを除く。)
六
喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、他から見通すことが困難であり、かつ、その広さが五平方メートル以下である客席を設けて営むもの
七
まあじやん屋、ぱちんこ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業
八
スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるもの(国家公安委員
会規則で定めるものに限る。)を備える店舗その他これに類する区画された施設(旅館業その他の営業の用に供し、又はこれに随伴する施設で政令で定めるもの
を除く。)において当該遊技設備により客に遊技をさせる営業(前号に該当する営業を除く。)
3
この法律において「接待」とは、歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすことをいう。
4
この法律において「接待飲食等営業」とは、第一項第一号から第六号までのいずれかに該当する営業をいう。
で、問題になるのは、
二
待合、料理店、カフエーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業(前号に該当する営業を除く。)
である。こういうのは、接待飲食等営業に該当するのである。
この接待ってなに?とか、歓楽的雰囲気を醸し出すってなんじゃ?とか思うかも知れないが、特定の顧客の近くにいて継続的に話し相手になったり、お酌をしたりすることが該当するらしい。
で、風俗営業には許可が必要である。
第三条
風俗営業を営もうとする者は、風俗営業の種別(前条第一項各号に規定する風俗営業の種別をいう。以下同じ。)に応じて、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)の許可を受けなければならない。
で、風俗営業は、深夜営業が禁止されている。
第十三条
風俗営業者は、午前零時(都道府県が習俗的行事その他の特別な事情のある日として条例で定める日にあつては当該事情のある地域として当該条例で定める地
域内は午前零時以後において当該条例で定める時、当該条例で定める日以外の日にあつては午前一時まで風俗営業を営むことが許容される特別な事情のある地域
として政令で定める基準に従い都道府県の条例で定める地域内に限り午前一時)から日出時までの時間においては、その営業を営んではならない。
2
都道府県は、善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為又は少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため必要があるときは、前項の規定によるほか、政令で定める基準に従い条例で定めるところにより、地域を定めて、風俗営業の営業時間を制限することができる。
というわけで、深夜に風俗営業をやっていると風営法違反なのである。
で、風俗営業に該当しなければ、なんの届出も要らないかというとそうではない。
第三十三条
酒類提供飲食店営業を深夜において営もうとする者は、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する公安委員会に、次の事項を記載した届出書を提出しなければならない。
一
氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
酒類提供飲食店営業とは、2条11項で
飲食店営業(設備を設けて客に飲食をさせる営業で食品衛生法第五十二条第一項の許可を受けて営むものをいい、接待飲食等営業又は店舗型性風俗特殊営業に該当するものを除く。以下同じ。)のうち、バー、酒場その他客に酒類を提供して
営む営業(営業の常態として、通常主食と認められる食事を提供して営むものを除く。以下「酒類提供飲食店営業」という。)で、日出時から午後十時までの時
間においてのみ営むもの以外のもの
と定義されている。なお、食品衛生法は、
第五十一条
都道府県は、飲食店営業その他公衆衛生に与える影響が著しい営業食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律第二条第五号に規定する食鳥処理の事業を除く。)であつて、政令で定めるものの施設につき、条例で、業種別に、公衆衛生の見地から必要な基準を定めなければならない。
第五十二条
前条に規定する営業を営もうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。
で、これをうけて食品衛生法施行令は、
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第35条 |
法第51条の規定により都道府県が施設についての基準を定めるべき営業は、次のとおりとする。 |
一 |
飲食店営業(一般食堂、料理店、すし屋、そば屋、旅館、仕出し屋、弁当屋、レストラン、カフェー、バー、キャバレーその他食品を調理し、又は設備を設けて客に飲食させる営業をいい、次号に該当する営業を除く。) |
二 |
喫茶店営業(喫茶店、サロンその他設備を設けて酒類以外の飲物又は茶菓を客に飲食させる営業をいう。) |
(以下省略) |
となっている。要するに、飲食店は、ほぼ例外なく、深夜営業する場合には、届出が必要ということがポイントである。
さらに、ポイントは、接待飲食等営業に該当すると、届出しようと深夜営業できないということである。
ということで、接待をしなければ深夜営業できるということで、ガールズバーが流行っているのである。たしかにお酒を渡す際にちょっとだけお話するならば、通常の
バーでもやっていることなので、接待にはならないことが多い。
しかし、ガールズバーはかなりグレーな存在で、実際のガールズバーを見ると、アウト!なものもある。今回の事件は、店内のボックス席で男性客に女性従業員を同伴させ、酒を注ぐなどの接客をさせたということなので、はっきりアウトである。
解説は以上である。
で、当初の話になるが、私は、わざわざ、ガールズバーと言いながら、このような風営法違反をしている脇の甘さに違和感を感じたのである。
アイデアは重要である。しかし、アイデアだけでビジネスはできない。アイデアを形にするには、弁護士に相談することがマストであることは、今後の教訓とするべきであろう。
それにしても、グラビアアイドルなんだから、横に座ってもらうよりも、正面に立ってもらったほうが、いろいろと景色が良くないッスカ?