« 2012/06/25 | トップページ | 2012/07/05 »

2012/07/02

2012/07/02

JASRACが著作権侵害?

JASRACが、他人のスクリプトを無断で使用していたという、ニュースを見た。

記事

さて問題があるのは下記URLにあるページのスクリプト(nav_rollover.js)である。このJavaScriptは、jQueryと呼ばれるJavaScriptライブラリを使った、画像のロールオーバ処理をさせたものようで、通常独自で開発したのであれば、著作表示コピーライトの記述をすべきだが、それが無いため何処から拝借した恐れがある。

では何処から拝借した可能性があるのか、答えはすぐに見つかりrewish.orgで公開されている『input要素にも使えるjQueryのロールオーバープラグイン』を流用した恐れがある。

で、もっと驚くのは、当のJASRACが無断利用を認めていることである。
記事

ホームページで使用したJavaScriptのコピーライト表示漏れについて

去る2012年6月15日、ニュースサイト「秒刊サンデー」において、JASRACのホームページ(HP)に他人のJavaScriptを使用していながら、コピーライト表示(Copyright)を記載していないファイルが存在するとして、無断流用の疑いがあるとの記事が掲載されました。

この件につきまして、事実関係を含めた詳細を確認したところ、サイト全体において2ファイルでその表示の漏れがあることを確認しました。

JASRACは、当該JavaScriptの制作者に連絡をとり、本人の了解を得た上で、ただちに2ファイルに対しコピーライト表示(Copyright)を記載しました。

今後、このようなことのないよう十分注意してまいります。

で、ジャスラックの
http://www.jasrac.or.jp/common3/js/nav_rollover.js
には、以下のような表記がなされましたとさ。

/**
* jQuery.rollover
*
* @version    1.0.4
* @author     Hiroshi Hoaki <rewish.org@gmail.com>
* @copyright  2010-2011 Hiroshi Hoaki
* @license    http://rewish.org/license/mit The MIT License
* @link       http://rewish.org/javascript/jquery_rollover_plugin
*/

めでたしめでたし。。。。。じゃねぇだろ!!

MITライセンス違反である。

MITを知らないひとは確認されたい。

原文

参考日本語訳

Copyright (c) <year> <copyright holders>

以下に定める条件に従い、本ソフトウェアおよび関連文書のファイル(以下「ソフトウェア」)の複製を取得するすべての人に対し、ソフトウェアを無制限に扱うことを無償で許可します。これには、ソフトウェアの複製を使用、複写、変更、結合、掲載、頒布、サブライセンス、および/または販売する権利、およびソフトウェアを提供する相手に同じことを許可する権利も無制限に含まれます。

上記の著作権表示および本許諾表示を、ソフトウェアのすべての複製または重要な部分に記載するものとします。

ソフトウェアは「現状のまま」で、明示であるか暗黙であるかを問わず、何らの保証もなく提供されます。ここでいう保証とは、商品性、特定の目的への適合性、および権利非侵害についての保証も含みますが、それに限定されるものではありません。 作者または著作権者は、契約行為、不法行為、またはそれ以外であろうと、ソフトウェアに起因または関連し、あるいはソフトウェアの使用またはその他の扱いによって生じる一切の請求、損害、その他の義務について何らの責任も負わないものとします。

ポイントは、「Permission is hereby granted」、つまり、以下の条件に従って取り扱う限り、許可するというところである。利用条件に反する行為は許可されていないのであるから、許諾のない行為である。

つまり、JASRACのやったことは、単なる表示漏れではない。著作権侵害行為なのである。

他には、楽曲リストを送りつけて、あらかじめ著作権侵害の有無を検討するのが常識だと主張する団体が、自分のホームページのソースコードも確認していなかったというのは皮肉な話である。

公共性の高い団体が、著作権侵害を誤魔化し、謝罪の言葉ひとつも無しの嫌々のプレスリリースというのは、いただけない。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

« 2012/06/25 | トップページ | 2012/07/05 »