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2012年11月11日

2012/11/11

どないなっとんの?

先日、新幹線の中で切符を忘れた。

その際の窓口の対応は、切符買い直せの一点ばりであった。

営業旅客規則にあるとか言うのである。

参照 JR東日本

第268条 (乗車券類紛失の場合の取扱方)
1 旅客が、旅行開始後、乗車券類を紛失した場合であつて、係員がその事実を認定することができないときは、既に乗車した区間については、第264条・第266条又は前条の規定による旅客運賃・料金及び増運賃・増料金を、前途の乗車区間については、普通旅客運賃・料金を収受し、また、係員がその事実を認定することができるときは、その全乗車区間に対する普通旅客運賃・料金を収受して、増運賃及び増料金は収受しない。
2  前項の場合、旅客は、旅行終了駅において、再収受証明書の交付を請求(指定券にあつては、同一列車の場合に限る。)することができる。ただし、定期乗車券又は普通回数乗車券を使用する旅客は、この限りでない。

第269条 (再収受した旅客運賃・料金の払いもどし)
前条の規定によつて普通旅客運賃・料金及び増運賃・増料金を支払つた旅客は、紛失した乗車券類を発見した場合は、その乗車券類と再収受証明書とをもより駅に差し出して、発見した乗車券類1枚につき手数料210円(指定券にあつては、320円)を支払い、再収受証明書に記入された旅客運賃・料金について払いもどしの請求をすることができる。ただし、普通旅客運賃・料金及び増運賃・増料金を支払つた日の翌日から起算して1箇年を経過したときは、これを請求することができない。

要するに

切符無くしたら、たとえ、不正が無くても、金を払ったことが事実であっても、もう一度金を払え、切符見つけたら、金を払い戻してやる。ただし手数料は引くけどな。

ということである。だいたいどこのJRも同じような規定があるようである。

そもそも、旅客規定は、こちらとの合意で決まったものではない。一方的にJRが決めたものである。えらい上から目線の規定である。

今回、私の怒りの中心は、東海道・山陽新幹線ではきっぷ紛失時の払戻の取扱が定められているにもかかわらず、窓口の人が、そのことを知らせずに料金の支払いを求めてきたことがである。

東海道・山陽新幹線におけるきっぷ紛失時の特別な取扱いについて
●東海道・山陽新幹線(東京から博多間)の指定券・グリーン券をクレジットカードで購入し、東海道・山陽新幹線をご利用中(新幹線改札内、列車内)になくした場合は、新幹線下車駅でご案内する指定の方法によりご申告いただければ、可能な範囲で、紛失されたきっぷの使用状況を確認いたします。確認の結果、なくしたきっぷが「払いもどしされていないこと」、「他に使われていないこと」が確認できれば、なくしたきっぷが発見されたものとして、所定の手数料を差し引いて払いもどします。

これは、私のクレームに対して、上司が出てきてこのような取扱があることの説明がされたものである。

この手続きの説明を受けずに払い戻しを受けられなかった者は、あの窓口担当の対応から見れば多数いるであろう。彼は取扱を知らない奴が悪いとでもいうのだろうか?

上司は非常に丁寧な対応であった、その窓口担当は、その間、悪びれた様子もなく、もちろん、不正確な説明に対する謝罪も無かった。

この経験は、私だけかと思ったら、宮迫氏のこんなのがあった。

宮迫氏は、現金で切符を購入したのであろうか。クレジットカードで購入していないことを願うばかりである。

ところで、私は、この旅客営業規定自体、消費者契約法10条に反して無効と考えている。

(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)
第十条  民法 、商法 (明治三十二年法律第四十八号)その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者 契約の条項であって、民法第一条第二項 に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。

旅客営業規則の有効性を巡っては、不正利用に関する割増運賃に関する規定が消費者契約法10条に反するかが争われた裁判があり、裁判所は、規定自体の有効性は認めつつも、損害の期間を限定した判決をしている。

参照

これは不正利用に関する裁判例である。

不正利用も無いのに、紛失すれば、払い戻しや、2重役務提供の危険が無い場合まで、料金の2重取りを許容するのは、許されないと思うところである。

ちなみに、この件、切符が見付かったということで、何事もなく終わった。

但し、機会があれば、裁判所に規則の有効性を問おうと思っている。

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第37回法とコンピュ-タ学会

昨日はこんなのに出ていた。

今年は、Winnyとダウンロード刑罰化とクラウドだテーマだったようである。

忙しかったが

ウィニー事件最高裁決定の問題点 著作権法の視点から
放送大学客員教授、文化庁審議官 作花文雄氏

ウィニー事件最高裁決定の問題点 刑事法の視点から

学習院大学法学部教授 鎮目征樹氏

なんてのがあったので行くことにした。

ちなみに、Winny事件最高裁決定の問題点弁護団事務局長の視点からというのは、オファーもなかった。

で、感想を、あえて敵を作りながら言う。

Winny事件は、最高裁判例評釈に終始していたが、「P2P開発者がP2Pによる侵害状況を知らないはずがない」と俺の中のWinny事件を語ったり、罪数論をよく分からずに喋ったり、トホホであった。

せめて、お巡りさんが、「例外的ではないことを知っていた」的な自白調書の獲得に向けて頑張っているという刑事実務やソフトウェア開発の状況を踏まえて考えて欲しいところである。

もっと酷かったのは、ダウンロード刑罰化である。

パネルでは、ウイルス対策ソフト事業者がファイル共有ネットワークから無差別にファイルを取得してウイルスを探す行為が、ダウンロード違法化(さらには刑罰化)によって不可能にされてしまったと言いだす輩(事業者が事業に関してダウンロードするのは、私的複製に該当しないので、ダウンロード違法化や刑罰化とは関係ない)、

それに対して、著作権法47条の7(情報解析のための複製等)の該当性を言いだす先生(明らかに該当しない)、

さらに、刑法35条の正当業務行為の典型だと言いだす先生(刑事実務上、正当業務行為が認められるのはとてもレアである。少なくとも正当業務行為の典型とは言えない)、

正直、どこから突っ込んだらいいのか解らない状況であった。

Winny事件の弁護を始めたとき、刑法(刑事実務まで含む)、著作権法、技術の3分野に跨る正確な知識を有する人材がいないことに愕然としたが、それは、現在も全く変わっていないようである。

なんとかせにゃいかんよ。

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