« 2012年11月23日 | トップページ | 2012年12月13日 »

2012年12月3日

2012/12/03

ウェブで国民審査を動かす?

まずは、「ウェブで政治を動かす!」が、先日、津田氏から送られて来たので、お礼を兼ねて宣伝である。

ところで、インターネットで、選挙活動が出来ないということに関して、バラク・オバマのYoutube戦略を指摘して、日米の差を嘆く人が多いが、実際、いかなる条文によりどのような規制があるのかは、あまり知られていないということで、解説である。

追記 これを見れば良かったりする。   

第百四十二条  衆議院(比例代表選出)議員の選挙以外の選挙においては、選挙運動のために使用する文書図画は、次の各号に規定する通常葉書並びに第一号から第三号まで 及び第五号から第七号までに規定するビラのほかは、頒布することができない。この場合において、ビラについては、散布することができない。
(各号省略)

(文書図画の掲示)
第百四十三条  選挙運動のために使用する文書図画は、次の各号のいずれかに該当するもの(衆議院比例代表選出議員の選挙にあつては、第一号、第二号、第四号及び第五号に該当するものであつて衆議院名簿届出政党等が使用するもの)のほかは、掲示することができない。
(1~7号省略)
2  選挙運動のために、アドバルーン、ネオン・サイン又は電光による表示、スライドその他の方法による映写等の類を掲示する行為は、前項の禁止行為に該当するものとみなす。

自治省の解釈はこちら

インターネット上のWebは、文書図画に該当し、ホームページの開設したり、掲示すると、頒布や掲示行為に該当すると考えられているわけで、選挙運動にホームページは使えないわけである。

おあつらえに、脱法防止の規定まである。

(文書図画の頒布又は掲示につき禁止を免れる行為の制限)
第百四十六条  何人も、選挙運動の期間中は、著述、演芸等の広告その他いかなる名義をもつてするを問わず、第百四十二条又は第百四十三条の禁止を免れる行為として、公職の候補者の氏名若しくはシンボル・マーク、政党その他の政治団体の名称又は公職の候補者を推薦し、支持し若しくは反対する者の名を表示する文書図画を頒 布し又は掲示することができない。

他にも選挙活動には規定がある。公職選挙法は、結構めんどくさい。

(総選挙における政治活動の規制)

第二百一条の五  政党その他の政治活動を行う団体は、別段の定めがある場合を除き、その政治活動のうち、政談演説会及び街頭政談演説の開催、ポスターの掲示、立札及び看板の類(政党その他の政治団体の本部又は支部の事務所において掲示するものを除く。以下同じ。)の掲示並びにビラ(これに類する文書図画を含む。以下同じ。)の頒布(これらの掲示又は頒布には、それぞれ、ポスター、立札若しくは看板の類又はビラで、政党その他の政治活動を行う団体のシンボル・マークを表示するものの掲示又は頒布を含む。以下同じ。)並びに宣伝告知(政党その他の政治活動を行う団体の発行する新聞紙、雑誌、書籍及びパンフレットの普及宣伝を含む。以下同じ。)のための自動車、船舶及び拡声機の使用については、衆議院議員の総選挙の期日の公示の日から選挙の当日までの間に限り、これをすることができない。

政党その他の規制は他にもたくさんある。立候補者や政党等は、かなりの規制があるのである。

ここで注目すべきは、政治活動に関する発言一般が禁止されているわけではないということである。選挙運動の為の行為が禁止されているのである。

すると、公職選挙法の選挙運動とは何かが問題になる。これは、

「特定の公職の選挙につき、特定の立候補者又は立候補予定者に当選を得させるため投票を得又は得させる目的をもって、直接又は間接に必要かつ有利な周旋、勧誘その他諸般の行為をすること」

と考えていることが多い。

すると、特定の候補者の当選の投票を得させる行為か否かということで区別されることになる。政治家がツイッターで他党批判するのは、基本的にアウトである。

他方で、一般の人が論評等することに法は配慮している。ただ、その配慮も選挙期間中には制限があるので、えらく中途半端ではあるが。

(新聞紙、雑誌の報道及び評論等の自由)
第百四十八条  この法律に定めるところの選挙運動の制限に関する規定(第百三十八条の三の規定を除く。)は、新聞紙(これに類する通信類を含む。以下同じ。)又は雑誌が、選挙に関し、報道及び評論を掲載するの自由を妨げるものではない。但し、虚偽の事項を記載し又は事実を歪曲して記載する等表現の自由を濫用して選挙の公正を害してはならない。

2(省略)

3  前二項の規定の適用について新聞紙又は雑誌とは、選挙運動の期間中及び選挙の当日に限り、次に掲げるものをいう。ただし、点字新聞紙については、第一号ロの規定(同号ハ及び第二号中第一号ロに係る部分を含む。)は、適用しない。
1~3号省略

しかも、この新聞又は雑誌ですら、意味不明な制限がある。

(新聞紙、雑誌の不法利用等の制限)
第百四十八条の二  何人も、当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて新聞紙又は雑誌の編集その他経営を担当する者に対し金銭、物品その他の財産上の利益の供与、その供与の申込若しくは約束をし又は饗応接待、その申込若しくは約束をして、これに選挙に関する報道及び評論を掲載させることができない。
2  新聞紙又は雑誌の編集その他経営を担当する者は、前項の供与、饗応接待を受け若しくは要求し又は前項の申込を承諾して、これに選挙に関する報道及び評論を掲載することができない。
3  何人も、当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて新聞紙又は雑誌に対する編集その他経営上の特殊の地位を利用して、これに選挙に関する報道及び評論を掲載し又は掲載させることができない。

で、文書の不正利用については罰則がある。

第二百四十三条  次の各号の一に該当する者は、二年以下の禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

一~二省略
 第百四十二条の規定に違反して文書図画を頒布した者
 第百四十三条又は第百四十四条の規定に違反して文書図画を掲示した者
(以下省略)

(新聞紙、雑誌の不法利用罪)
第二百二十三条の二  第百四十八条の二第一項又は第二項の規定に違反した者は、五年以下の懲役又は禁錮に処する。
2  第二百二十一条第三項各号に掲げる者が前項の罪を犯したときは、六年以下の懲役又は禁錮に処する。

(新聞紙、雑誌が選挙の公正を害する罪)
第二百三十五条の二  次の各号の一に該当する者は、二年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処する。
一  第百四十八条第一項ただし書(第二百一条の十五第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反して新聞紙又は雑誌が選挙の公正を害したときは、その新聞紙若しくは雑誌の編集を実際に担当した者又はその新聞紙若しくは雑誌の経営を担当した者
二  第百四十八条第三項に規定する新聞紙及び雑誌並びに第二百一条の十五に規定する機関新聞紙及び機関雑誌以外の新聞紙及び雑誌(当該機関新聞紙及び機関雑誌の号外、臨時号、増刊号その他の臨時に発行するものを含む。)が選挙運動の期間中及び選挙の当日当該選挙に関し報道又は評論を掲載したときは、これらの新聞紙若しくは雑誌の編集を実際に担当した者又はその新聞紙若しくは雑誌の経営を担当した者
三  第百四十八条の二第三項の規定に違反して選挙に関する報道又は評論を掲載し又は掲載させた者

一般の人の選挙違反の罪は、ほとんどが、選挙運動を行った場合か、金品の供与や目的等が要件となっている。で、当選させる目的なんてのは、内心の問題で立証困難である。実際には、なんらかの金が絡んでる場合でなければ、立件していないのが現状である。

というわけで、実務的には、利益供与を受けてなければ、Web等で論評するのは結構大丈夫という感じなのである。

さらに問題は、235条の2の2号である。
確かに、条文上は制限が無くて嫌な感じではあるが、お巡りさんが、一般市民をこれだけで逮捕するというのは、実務家の感覚としては無いだろうという感じである。別段選挙活動をしているわけではない一般市民を処罰するというのであれば、いくらKYの最高裁でも合憲性を維持できないような気がする。

というわけで、一般人は、ネットでも、クリーンに大いに語るべしであろう。

ところで、KYの最高裁という話がでたところで、ようやく、国民審査の話である。

今度の衆議院総選挙では、国民審査が行われる。
国民なのであるから国民審査は当然の権利である。私も、KYな裁判官には×をつけさせてもらう。

この点に関して、面白いサイトを見つけた。

これの情報に加えて、URL事件では、第三小法廷の岡部裁判官、田原裁判官(今回対象外)、大谷裁判官が有罪で、大橋裁判官、寺田裁判官が無罪の反対意見を書いたことも参考にされたい。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2012年11月23日 | トップページ | 2012年12月13日 »