内柴の胴衣
内柴元選手の事件が終結したようである。
論告は懲役5年求刑で、弁論は無罪と真っ向勝負のようである。
この事件は、職業弁護士としては、気になる点がある。
弁護側が最終弁論で「女子部員は行為に同意していた」とあらためて無罪を主張した。
という点である。
2 女子の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、姦淫した者は、前条の例による。
準強姦は、抗拒不能に乗じて姦淫する犯罪で、それ故に暴行脅迫を要しない。
他方、強姦は、暴行又は脅迫を用いる犯罪である。
そして、不同意姦淫罪というのはない。
内柴の事件は、準強姦である。暴行脅迫は関係ない。
すると、争点は、抗拒不能、つまり、抵抗が出来ないか著しく困難な状態だったかなのである。
この件で言えば、酷い酩酊状態で、拒絶も出来ないような状態であったか。さらに言えば、内柴のような猛者をはねのけることが出来ないだけでは、抗拒不能にはならない。
結局のところ、13才以下の相手でもない限り、抗拒不能ではない相手に、暴行脅迫を用いずに姦淫したのであれば、同意がなくても、無罪なのである。
もちろん、道徳的な問題は別である。しかし、どんなに非道徳的でも、法に反しなければ刑事処罰はされない。
というわけで、メディアが理解していないのか、弁護側があえて高めの球を投げているのか不明なまま、判決に注目である。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)