絶滅危惧種「増やしすぎて」書類送検
絶滅の恐れがある淡水魚「ミヤコタナゴ」を無許可で譲り受けたなどとして、警視庁生活環境課は14日、種の保存法違反と文化財保護法違反容疑で、いずれも東京都荒川区に住む会社役員(60)の男ら3人を書類送検した。同課によると、3人は容疑を認めているという。
ミヤコタナゴとは、wikipediaによると、
1974年に天然記念物に、1994年に国内希少野生動植物種に指定。環境省レッドリストでは、絶滅危惧IA類に当初から指定されている。魚のようである。
天然記念物とは、文化財保護法109条の規定である。
文化財保護法
(指定)
で、天然記念物については、報告やらなにやらめんどくさい義務があり、これに反すると罰則なのである。
ついでに、絶滅危惧品種というのは、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」に規定されている。
第四条 この法律において「絶滅のおそれ」とは、野生動植物の種について、種の存続に支障を来す程度にその種の個体の数が著しく少ないこと、その種の個体の数が 著しく減少しつつあること、その種の個体の主要な生息地又は生育地が消滅しつつあること、その種の個体の生息又は生育の環境が著しく悪化しつつあることそ の他のその種の存続に支障を来す事情があることをいう。2 この法律において「希少野生動植物種」とは、次項の国内希少野生動植物種、第四項の国際希少野生動植物種及び次条第一項の緊急指定種をいう。3 この法律において「国内希少野生動植物種」とは、その個体が本邦に生息し又は生育する絶滅のおそれのある野生動植物の種であって、政令で定めるものをいう。4 この法律において「国際希少野生動植物種」とは、国際的に協力して種の保存を図ることとされている絶滅のおそれのある野生動植物の種(国内希少野生動植物種を除く。)であって、政令で定めるものをいう。
で、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令というのがある。
(国内希少野生動植物種等)
第1条 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(以下「法」という。)第4条第3項の国内希少野生動植物種は、別表第1に掲げる種(亜種又は変種を含む。以下同じ。)とする。
2 法第4条第4項の国際希少野生動植物種は、別表第2に掲げる種とする。
これで、別表第1にミヤコタナゴが指定されているので、ミヤコタナゴは、国内希少野生動物種なのである。
また、環境庁では、レッドデータブックというのを出している。
これでは、ミヤコタナゴは絶滅危惧ⅠA類(CR)=ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種とされている。
で、希少野生動植物種は、原則として許可が無いと譲渡出来ない。
第十二条 希少野生動植物種の個体等は、譲渡し若しくは譲受け又は引渡し若しくは引取り(以下「譲渡し等」という。)をしてはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一 次条第一項の許可を受けてその許可に係る譲渡し等をする場合二 特定国内希少野生動植物種の個体等の譲渡し等をする場合
で、このお方、28匹を譲り受けて、優れた飼育能力を発揮してミヤコタナゴを1125匹に増やしたところ、怒られてしまったということのようである。
法律は法律ではあるが、絶滅危惧品種を増やそうという人を絶滅させても仕方ないような気がするので、取調調書を飼育ハウツー本にして、書類送検でニュースになったことが宣伝になるくらいの粋な感じでやってもらいたいものである。
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