Yes!最高裁
美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長は19日、民進党の大西健介議員が衆院厚生労働委員会での発言で同クリニックの名誉を毀損したとして、大西議員に加え同党と党代表としての蓮舫氏、国に対し、1千万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求める訴えを東京地裁に提起した。
訴状によると、大西議員が17日の厚労委で、エステ店が系列の美容外科に顧客を引き渡すビジネスが誇大広告で集客している実態について質問。その中で、「陳腐な」テレビCMを流しているとして、「皆さんよくご存じのイエス○○クリニックみたいに」と発言した。同クリニックは「悪徳美容外科であるかのような誤解を受け」、「この発言で社会的評価を低下させられる可能性が生じた」と主張している。
だそうである。
そもそも私が確認した範囲で言えば、クリニックの名誉毀損はないと思われるので、まわしに手が届いていない可能性がある。
仮に届いたして、次に問題になるのは、国会議員の免責を認めた憲法51条である。
第五十一条 両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。
というわけで、訴訟を提起しても請求が認められる可能性は乏しい。
これまで、憲法51条があるので、国会議員ではなく、国家賠償請求訴訟で国に賠償を求める訴訟はあったのであるが、これですら、最高裁平成9年9月9日判決では、
国会議員が国会の質疑、演説、討論等の中でした個別の国民の名誉又は信用を低下させる発言につき、国の損害賠償責任が肯定されるためには、当該国会議員が、その職務とはかかわりなく違法又は不当な目的をもって事実を摘示し、あるいは、虚偽である ことを知りながらあえてその事実を摘示するなど、国会議員がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと認め得るような特別の事情があることを必要とする。
という旨の判決がある。
国賠でもかなりのハードルがあるのだから、個人の責任なんかムリムリというのが、私の弁護士としての感覚である。
しかし、原告代理人の先生は、なにかと著名なお方のようなので、私のような者には知り得ないお考えをお持ちなのであろう。
ちなみに、高須先生と思われるツイッターでは、
誹謗中傷が真実ならば免責特権はクリアーされます。つまり勝てるのですよ。
最高裁判例を知らない人たちのコメントが情けない。勉強しろよ(*´∀`)♪
と記述されていた。
これも、きっと、私のような弁護士では探せない、特殊な最高裁判決を見つけることのできる勉強法があるのであろう。
そんな点も含め、今後も訴訟に注目。。。。していない。
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