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2018/06/03

独立の神様

ロマンスの神様などのヒット曲で有名な広瀬香美さんが、事務所を独立したそうである。
 
 
で、事務所が芸名使用中止をもとめていて、モメモメらしい。
 
芸能使用については、「能年玲奈」さんが「のんさん」になったり話題になることもあるが、芸名使用について、独占禁止法違反で無効と弁護士がコメントしている記事をみた。。。
 
…orz というわけで、解説することにしたい。
 
芸能人のマネジメント契約は、専属契約となることが多く、その際に、芸名は事務所が所有すること、契約終了後、芸名を芸能活動に使うことは、それが実名であっても使ってはならない旨の条項が入ることがおおい。
 
これだけではなく、なんだかんだで、マネジメント契約は奴隷契約っぽいのが多いので、独占禁止法の優越的地位の濫用に該当するかが問題になる。
 
上記記事で、弁護士の先生がおっしゃっている
 
「公正取引委員会において芸能事務所が芸名も含めたタレントの権利を独占することは独占禁止法に違反する可能性があるという旨の報告書が公表されました。」
 
というのは、公正取引委員会の「人材と競争政策に関する検討会」報告書なのであるが、正確には、この報告書には「役務提供者の肖像等の独占的な利用を許諾させること」が独占禁止法の問題になり得るというだけで、芸名という文字は一言もつかわれていない。
 
ところで、独占禁止法違反になるとした場合、契約は直ちに無効になるかというと、イコールの関係ではない。
 
裁判で芸名使用中止が争われたケースでは「加勢大周」事件(東京高裁平成5年6月30日/平成4年(ネ)1269号)があるが、この事件は、契約に基づく芸名等の使用許諾権を有することの確認を求める訴訟について、契約が終了したので理由がないとして、芸名の続用を認めた事案である。判決を見る限り、契約終了後の芸名使用の規定が無い事案であり、また、独占禁止法違反かは争われていない。

で、契約終了後の芸名使用中止請求の有効性であるが、これが裁判で真剣に争われたら事案によるとしか言えないところである。
 
というわけで、新事務所からの再デビューは
「芸名があれば大丈夫」
でお願いします。

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