« 弁護士の専門性 | トップページ | ビデオ法律相談βテスト始めました。 »

2019/01/23

Ghosn is gone

日産自動車の前会長カルロス・ゴーン氏の2度目の保釈請求が却下されたようである。
 
 
ただ、特に、ゴーン氏だけが特別に酷い扱いを受けたというわけではなく、日本の人質司法では常識である。
刑事訴訟法
第八十八条 勾留されている被告人又はその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹は、保釈の請求をすることができる。
2 第八十二条第三項の規定は、前項の請求についてこれを準用する。

第八十九条 保釈の請求があつたときは、次の場合を除いては、これを許さなければならない。
 一 被告人が死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
 二 被告人が前に死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
 三 被告人が常習として長期三年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
 四 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
 五 被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。
 六 被告人の氏名又は住居が分からないとき。
条文を見ると、原則保釈が認められるかのような規定であるが、実際には、罪証隠滅をどうやってするねんという場合であっても、罪証隠滅のおそれ、証人威迫の恐れとやらで保釈は認められない。
 
日本では、争っている事件では、検察官は異常なまでに保釈に反対する。無罪の可能性がある事案の反対は狂気の世界である。そして、裁判所は検察官の反対に対して最大限の賛辞で対応する。
 
現在のところ、1年くらい勾留されて、もういい加減にしろとか弁護人が言って、ようやく真面目に保釈を検討するのが普通で、これが中世と言われる日本の人質司法である。
 
個人的には、ゴーン氏だけ近代というわけにもいかないので、ゴーン氏には我が国の刑事司法の酷さをフルコースで体験して頂いて、日本の刑事司法改善へ活動してもらいたいと思っているところである。
 

そんな中、元東京地検特捜部の弁護士の先生に関する発言が話題になってるのを見た。

 
拘置所には暖房もなく、狭くて寒いについて「当然だ。普通の人と同じはおかしい」
テレビの生放送なので、とっさに隠しきれない本音がポロポロでたのかもしれない。しかし、まだ、犯罪者と決まったわけではない、無罪かも分からない被疑者・被告人を普通の人ではないという感覚は理解に苦しむ。
 
ところで、ゴーン氏は弁護人に元検察官の弁護士を選任したようである。
世間の人に聞くと、元検察官の弁護士は、検察にも顔が利いて、クロをシロにしてくれそうだと真顔でいう。お値段高めもへっちゃらな大人気のようである。
 
しかし、刑弁弁護を多く手がけている者の中で、元検察官の弁護士は優秀という話は聞かない。
それがどうしてか分かった気がした。

元検察官の中には、依頼者の弁護を引き受けておきながら、こういうことを考えて弁護をやってる者がいるということである。

そういう人には弁護士の肩書きをつかっていただきたくない。

|

« 弁護士の専門性 | トップページ | ビデオ法律相談βテスト始めました。 »

「法律コラム」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/46914/67619938

この記事へのトラックバック一覧です: Ghosn is gone:

« 弁護士の専門性 | トップページ | ビデオ法律相談βテスト始めました。 »