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2020/08/26

コインハイブ事件の評釈

コインハイブの呼出しコードをサーバに蔵置したとして、不正指令電磁的記録保管罪に問われた事件の高裁判決が2020年2月7日にあった。

不正性の要件を満たさないとして無罪とした地裁判決(横浜地判2018年3月27日)を高裁は破棄して罰金10万円の罪を認めた。

高裁が有罪を認めたロジックのおかしさについては他でも書いてるので、今回は解っていることを前提にする。

この判決が、判例時報2446号71頁に掲載されているのを見つけた。

そして、気分が悪くなった。

判例時報とは、日本でもっとも有名な判例紹介雑誌の1つである。

誰が解説を書いたかは明らかにされない。コインハイブ事件判決でも「仮名」である。

ただ、この仮名さん。どこから情報を仕入れたか解らないが、なかなか香ばしい。

もっとも狂った判断と言われている、「賛否両論は被告人の不利益に」理論であるが、

賛否が分かれている点は社会的許容性を基礎付ける事情と言うよりもむしろ否定する方向に働くものと第一審段階で見切るのは必ずしも容易ではないけれども

と、上から目線で語り、おまけに地裁判決に対して謎のマウンティングである。

さらには、

総じて言えば、本件では第1審が迅速に疑問を提起し控訴審が適切に解明を試みており、社会的信頼を保つ意味合いからも刑事裁判が有用に機能しているとも言えよう

と、高裁コナン君が事件解決したかのような語りで、さらに、刑事裁判制度が機能していると高評価である。

私には、この仮名さんが、高裁判決マンセーな自己万能感満タンで解説をしなければならなかったのか解らない。

ただ、私は、こんな傲慢な考えをしている者が、刑事司法の中枢にいるとは思いたくはないので、解説を書いた仮名さんが、「判決を書いた裁判官ご本人」ではないと信じたいところである。

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