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2021/01/07

彼岸過ぎまで

先日、三重県志摩市の飲食店で禁止されているヒガンフグの皮を提供したことで、女性客が食中毒の症状を訴えたという記事を見た。

記事

ただ、ふぐというと何となく危ないというだけで、どのように規制されているのか良く分からない人が多いと思われる。

そこで、日本で数少ないふぐ処理登録者(ふぐ調理師)兼弁護士の私が解説してみたい。

 

まず、食品衛生法は有毒食品の販売等を禁止しており有毒部位を含むふぐも有毒部位を含むので6条の禁止対象に該当するとされている。

これに反すると営業取消しや罰則もある。


食品衛生法
第六条 次に掲げる食品又は添加物は、これを販売し(不特定又は多数の者に授与する販売以外の場合を含む。以下同じ。)、又は販売の用に供するために、採取し、製造し、輸入し、加工し、使用し、調理し、貯蔵し、若しくは陳列してはならない。

 有毒な、若しくは有害な物質が含まれ、若しくは付着し、又はこれらの疑いがあるもの。ただし、人の健康を損なうおそれがない場合として厚生労働大臣が定める場合においては、この限りでない。
第五十五条 都道府県知事は、営業者が第六条、第八条第一項、第十条から第十二条まで、第十三条第二項若しくは第三項、第十六条、第十八条第二項若しくは第三項、第十九条第二項、第二十条、第二十五条第一項、第二十六条第四項、第四十八条第一項、第五十条第二項、第五十条の二第二項、第五十条の三第二項若しくは第五十条の四第一項の規定に違反した場合、第七条第一項から第三項まで、第九条第一項若しくは第十七条第一項の規定による禁止に違反した場合、第五十二条第二項第一号若しくは第三号に該当するに至つた場合又は同条第三項の規定による条件に違反した場合においては、同条第一項の許可を取り消し、又は営業の全部若しくは一部を禁止し、若しくは期間を定めて停止することができる。
第七十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、これを三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
 第六条(第六十二条第一項及び第二項において準用する場合を含む。)、第十条第一項又は第十二条(第六十二条第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
この「人の健康を損なうおそれがない場合として厚生労働大臣が定める場合においては、この限りでない。」がポイントで、適切なふぐを適切に処理して可食部位のみとしたふぐについては対象外となる。

フグの衛生確保について

昭和58年12月2日環乳第59号

各都道府県・各政令市・各特別区衛生主管部(局)長宛

厚生省環境衛生局乳肉衛生課長通知

1 フグについて、これまでに得られた知見等を基に可食部位等を明らかにしたことに伴い、今後は、次に掲げるフグ又は部位は、食品衛生法第6条第2号本文に該当し、かつ、同号ただし書に該当しない食品として販売等が認められないものとして取り扱われたいこと。ただし、(1)から(4)までに掲げるものにあっては、個別の毒性検査によりその毒力がおおむね10MU/g以下であることを確認した部位のみを販売等する場合は、この限りでないこと。

(1) 局長通知の別表1及び別表1の2に定める可食部位以外の部位(同通知別表1に掲げる種類のフグの卵巣及び皮であって、同通知別表2の塩蔵処理が行われ、又はその原料として用いられるものを除く。)

(2) 日本の沿岸域、日本海、渤海、黄海及び東シナ海で漁獲されるフグであって、局長通知別表1及び別表1の2に掲げる種類以外の種類のフグ

(3) 岩手県越喜来湾及び釜石湾並びに宮城県雄勝湾で漁獲されるコモンフグ及びヒガンフグ

(4) (2)の海域以外で漁獲されるフグ

(5) 一般消費者に対して未処理で販売されるフグ

S

で、ヒガンフグの皮は可食部位ではないので、食品衛生法違反で営業停止ということになるのである。

ふぐの皮は人気のようであるが、皮まで食べれるふぐはハリセンボン系の食える訳ねぇを除けば数種類しかない。

というよりフグのサメ皮引くのってホントたいへんなのよ。。。

 

ところで、ヒガンフグを私は食べたことがないが、フォロワー400万超の人気youtuber「気まぐれクック」でも取り上げられてることから、愛知県周辺では結構とれるフグのようである。

 

ふぐの毒は種類や部位や季節や個体によって毒量に差があるため、皮なら大丈夫と油断していたのかもしれないが、落とし穴は意外とこういう所にある。

ヒガン食って、自分がネハンに行っては元もこもない。

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