記者会見のセオリー3
※この記事は、あくまでも緊急記者会見を実施する側の視点のみで書いたものです。被害者の気持ちとか、ファンの気持ちとかを重視する方は気分を害するだけですので読まないでください。
巨人の阿部監督が、暴行事件で逮捕されたことから監督を辞任した。
監督辞任の記者会見が、今でもインターネットで見れるようである。
その際の記者会見の内容が話題になっている。
私は、記者会見にはうるさく、弁護士向けのPR実務入門なんて本まで書いている。
今回は、この本に沿って、記者会見を総括してみたい。
1 最初に
この記者会見は、逮捕されて釈放された翌日に実施されている。
その間には、辞任届けを球団に提出したり、おそらく寝る間もなかったと思われる。
その中で、たくさんの決断をしなければならないのである。
それに対して、外野が何を語っても、それは、結果論に過ぎない。
2 形式面
会場は、どこかの会議室かと思われるが、特に気になる点はなかった。
服装も地味なスーツで、特に問題はない。
お辞儀について、入場の又は挨拶の際には、45度のお辞儀をするというのがセオリーであるが、席についてすぐしゃべり出したのは気になった。
ただ、ひととおり話し終わったあとにはしっかり頭をさげてたので、記者が写真をとるには十分だろう。
話し方も、普段、会見慣れしているからだろうか、立派なものであった。
3 話す内容
監督を辞任したことや、事件について口にすることなく、謝罪から始まったのは気になった。
弁護士が事前レクをして、監督は本当に言いたいことだけいうというパターンもあるのだが、今回がそうなのかはわからない。
監督がひととおり喋ったあと、おそらく弁護士であろうが娘さんから預かった手紙を代読しており、その内容を巡りネットではいろんな意見があるが、私の考えは後述するとおりである。
4 獲得目標と防御ライン
今回の記者会見は、何を獲得目標としたのかは気になった。
というのも、既に監督は辞任しているし、すぐに他の仕事というわけにもいかないので、ファンの皆様に辞任をご説明して、今後のメディアの殺到を防ごうくらいである。
監督を続けるために、レピュテーションダウンを避けなければならない事案とこのあたりが大きく異なる。
刑事事件としても、罰金以上にはならないであろう。
すると、防御ラインというのも特に設定することもなくて、事実をコンパクトに説明することは注意すべきというくらいである。
それを踏まえて、長女さんのお手紙の手紙を代読しているのを見て、私が、強く違和感を感じたのは、このお手紙で何を獲得しようと思っていたのかということである。
被害者の手紙を、加害者の弁護士が読むことの違和感を指摘する者もいたが、そんな形式は問題ではない。
弁護士が作文したとか、弁護士が書かせたとか勘ぐる弁護士もいるが、そんな邪推も問題ではない。
私が問題視したのは、この手紙で何をしたかったのか?ということである。
既に、監督は辞任しているし、他に、このお手紙で得るものはない。
他方、あの内容の手紙を読めば、長女が無思慮に児相に相談したので父が監督を辞任せざるを得なくなったと理解して、激しい批判をする者がでてくることは容易に予想出来る。
激しい批判や中傷を長女に背負わせてまで、獲得しようとしたものはなにだったのか。
もちろん、手紙は長女の意思であろう。強く希望したのかもしれない。
しかし、暖かく見守ってほしいと言っても現実論としては難しい。
というわけで、最初に話しが戻るのである。
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