発信者情報開示の実務
発信者情報開示で某プロバイダに開示請求の内容証明を送ったところ、以下のようなお返事が来た(要約)
~本件につきましてはプロバイダ責任法に則り取り扱う事案と考えます。よって本書式では依頼につきましてお引き受け出来かねますのでその旨御連絡申し上げます。上記通知書に記載された要請を行う場合は、プロバイダ責任制限法に定められた情報開示措置依頼に基づきご請求ください。
…ISPは条文を知らないようだが、プロバイダ責任制限法には書式など無い。
私に対して、「法に則って開示請求しろ」という失礼な態度には正直なところ頭に来た。ついでに言うと
こんな勘違いをISPに与えている総務省は猛省してほしいところである。
YahooBB!事件 最高裁決定
ヤフーと原告が上告していた、Yahoo!BB個人情報漏えい事件の最高裁の決定が出たようである。双方の上告が棄却されたようである。
ようであるというのも、私たちは決定書を見ていないのである。
外部からのアクセスによる情報漏えいについて、セキュリティ体制のずさんさを理由に損害賠償を認めた事案としては、先例としての価値があると思っている。
ただ、換金していなくても郵便為替支払通知書で弁済になるという、間違いを最高裁が認めたことはとても残念であるし、訴訟費用について認定額に応じた費用負担となったことも残念である。
全ての点で満足とまではいかないが、コンプライアンスの教科書などを見ると、必ず書いている事件なので、今後のコンプライアンスに影響を与えたのだとしたら幸いである。
Yahoo!BB事件控訴審判決
本日、控訴審判決があった。
ヤフーとソフトバンクBBに連帯して、5500円の支払いを認める判決であった。
原審では否定されたヤフーに対する責任を認めた点は前進であるが、損害が5500円なのは問題である。
まだ、ネット等の記事は見あたらないが、とりあえずは報告まで。
大和都市管財被害者国家賠償事件、国に6億円の支払い命じる
この事件、役に立っているとは言い難いが、実は弁護団の一員だったりする。
~訴訟では、96~97年の旧大蔵省銀行局の担当課長補佐が原告側証人として出廷。近畿財務局が95年、同社に業務改善命令を出そうとしたが、社長から威迫されたため命令を撤回したとする内部文書を作成したと異例の証言をしていた。
こんな情けない、監督体制が明らかになったのであるから、判決が賠償を認めたのは至極当然である。
被害者はこの訴訟の原告だけではない、多くの被害者が日本中にいるのである。国にはこの判決の意味を重く受け止めて、被害者救済に誠実に取り組んで欲しいと願っている。つまらない控訴は論外である。
ちなみに、私は、今回の「勝訴おじさん」が某弁護士だったことをこのページを見て初めて知ったりする。
判例時報1956号130頁~139頁
判例時報4月1日号に私の手がけた事件の判決が載っていた。
これは、携帯電話会社に対する発信者情報開示が認められた事件である。
なぜか、判例の紹介にバイアスがかかっている「プロバイダに対する損害賠償請求が認められなかった事案」といわれても??である。
この掲載は、私が、判例時報社に判決を送付したことはないので、どこかから入手したのであろう。さっさと任意開示に応じていれば、公にならずにすんだのに…。
もし目をとおす機会があったときは、被告となっている巨大企業や超有名法律事務所の主張がどのようなものであったかを楽しんでもらえれば幸いである。
YahooBB!事件 控訴審が結審
本日 控訴審が結審した。
高裁判決は、5月31日午後1時15分である。
裁判所が、ネットワーク技術者が爆笑するような、ずさんなセキュリティに対してどんな判断を下すのか。
YahooBB!という冠がついたサービスである。原審では認められなかったヤフーの責任に注目してほしい。
winnyシンポ
情報処理技術と刑事事件に関する共同シンポジウム開催について
「IT技術と刑事事件を考える-Winny事件判決を契機として-」
日 時:平成19年2月17日(土) 10:00~17:00
場 所:大阪弁護士会館 2階ホール
正直なところ、IT事件が増えつつある中で、情報処理技術、サイバー法、
裁判実務の相互理解が不可欠なのだが、
現在のところお互いにアパシーな感じである。
このシンポジウムは、その現状を改善するための一つの試みである。
情報処理技術者の考えを多くの弁護士に伝われば幸いである。
入場無料であるので興味がある人は是非参加されたい。
ダスキン役員賠償請求訴訟控訴審判決
大肉まん事件の件で、分離されていた元取締役2名に対する判決は前に紹介したが、控訴審判決が本日あった。
1審の106億からずいぶん減らされて、連帯して53億4350円と平成16年2月24日から年5分の遅延損害金を支払えという判決である。
調べた範囲では高裁の認容額としては日本一のようである。ただ、あれだけ多くの人に不信感を与えた大会社の責任者に対する責任としてはむしろ軽すぎるような気がする。
この判決、取締役に事後的に、事実の公表、謝罪などの措置をとらなかったことが取締役の法的義務に反するとした点で今後の実務に与える影響は大きいと思われる。
ペコちゃんもポコちゃんも良く聞いておいて欲しいところである。
ダスキン大肉まん訴訟控訴審判決
前の記事で書いた判決であるが、事実が分かった後も公表しなかった取締役に対する責任を追及した訴訟の控訴審が今日あった。私も弁護団の一員として参加している。
原審では、取締役の一人以外の請求を棄却したが、高裁では全員に2億~5億の範囲で連帯責任を認める判決が下された。逆転勝訴である。
この事件、TBHQの混入が為された大肉まんの販売をしたことについて、ダスキンの取締役が公表しなかったことで多大な損害を招いたという株主の主張に対して、取締役側は、自ら積極的に公開しないとしたのであり、これは「経営判断」と弁解している事件である。
高裁の判断は明快である。
『「自ら積極的には公表しない」ということは「消極的に隠ぺいする」方針と言い換えることも出来るのである。』
『現に行われてしまった重大な違法行為によってダスキンが受ける企業としての信頼喪失の損害を最小限に止める方策を積極的に検討することが、このとき経営者に求められていたことは明らかである。ところが…「自らは積極的には公表しない」などという曖昧で成り行き任せの方針を、手続き的にも曖昧なままに黙示的に承認したのである。それは、到底、「経営判断」というに値しない』
と断じている。ちょっと、胸がスッとした。
実は、この判決への私の貢献度は高くはない。この判決は、多くの弁護士の努力の賜である。
今後のコンプライアンスに一石を投じる判決であると思う。
yahooBB個人情報漏洩事件被害者訴訟判決
5月19日の午後1時15分からあった。
結果としては、BBテクノロジー(旧ソフトバンクBB)に6000円の支払いを命じる判決になった。
この事件、サーバー管理用のリモートサーバーを設置して、そのサーバの管理者権限アカウントのID・パスワードが同一で、しかも、ID・PASSは予想つきやすいもので、社員が退社しても変更せずに、10人以上で使い回していたのであるが、その点についての過失は、きっちりと認定された。
おそらく、ネットワークの管理それ自体に対して裁判所が違法性を認めた初めての判決である。ネットワーク管理が法的義務であることを認めた点に判決の価値があると思われる。
情報漏洩は500円の金券を渡せば終わりというような問題でもないのである。
yahooBB個人情報漏洩訴訟結審
Winny悪用ウイルスによる情報漏洩事件の報道が多いが(「Winny被害」とか、「Winny(ウィニー)による情報漏えい 」という文言を見ると、正直なところ腹が立つところである。)、情報漏洩事件には以前から取り組んで来ている。
その一つである、ヤフーBB会員の個人情報漏洩事件被害者訴訟は、本日結審した。
セキュリティの基本的事項にすら違反している管理体制は、裁判所にも明らかになったと感じている。
しかし、漏洩したヤフー会員の個人情報についてのプレスリリースは何回もあるが、被告らはこの点について流出経路を明らかにしようとしないし、事件で漏洩した個人情報の可能性を認めながら、「漏洩した情報は全て抹消した」という基本的スタンスは崩そうとしていないのである。これが日本のセキュリティに対する態度なのだろうか?すこし釈然としないものがある。
セキュリティ講座を開いている会社ですらこうなのである。
機密情報を漏洩させたお役所の方々に、ウイルス対策ソフトを入れることや、知らないファイルをクリックしないとか、機密情報は外に持ち出さないとか、やむなく持ち出すときは暗号化するとかいう、セキュリティの基本を説いてもそれは通じないのだろうか?
ヤフーBB個人情報漏洩事件
いきなりだが、今日の1時から、
ヤフーBB個人情報漏洩損害賠償事件の弁論がおこなわれる。
刑事記録の謄写が全部完了していないので、文書で主張と反論を
続けている状況である。
しかし、被告らの主張はなかなかユニークである。
技術的には赤子同然の私が読んでおもしろいのであるから、
セキュリティの専門家が読めば悶絶ものでは無かろうか。
ホントは主張を具体的に書きたいのであるが、
書いたら先方からは営業秘密の漏洩だ!
とかクレームを言われそうなので止めておく。
(ただ、当時のセキュリティ体制が分かったら、
困るような体制だとしたら、それは、
それ自体問題と思うのだが。。。。)
というより、セキュリティの専門家のお方、
意見書を書いてみませんか。
書いてて、楽しいこと間違いなしですよぉ。
せっかく紹介していただいたので
町村先生のブログにトラックバックを送ってみた。
先日
取締役会議事録を掲載したHPについて、
削除の仮処分に対する保全異議が認められた。
私は、保全異議をした側の代理人の1人である。
サイバー法を扱う弁護士は少ないのである。
もう少し儲かるようになれば、数も激増するのだろうが。。。
ちなみに、この事件、保全異議よりも早く判決がでるのでは、
と噂されていた事件であった。
他にも、いろいろ、面白いネタがあった事件でもあったが、
ここでは、お話しできないのが、チト残念。
近時のニュースから
ダスキンの元取締役に106億円の支払いを
命じる判決が出た。
これについては、弁護団に参加しているのだが、
日本では歴代第2番目の高額賠償金らしい。
単純に金額を比較できるものではないが、
消費者の食に対する信頼を損なった責任は
決して軽く無いということであろう。
yahooBBのこともちょっと書いたりして。。
昨日、yahooBB訴訟の第2回期日が
9月1日の13:15分から
大阪地方裁判所で開かれた。
その中で、被告は書面でいろいろ主張しているが、
肝心な「なぜ、情報が漏洩したのか!」という、
点は明らかにしていない。
で、これから、原告からの求釈明の予定である。
第3回期日は、裁判所の強い希望で、
10月15日の10時~
なんと、金子氏の公判と重なった。
と言うわけで、次回は私の出席は困難。
困った困った。
で、この事件の事務局長は岡田崇弁護士です。
奥村、岡田、壇でピンと来た人は、正解!
サイバー法の世界は意外に狭いのです。
岡田先生もブログ作ったら良いのにね。
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